今回は会社を辞めたときに必要な手続きについて、ハローワークで失業手当をもらうとき、役所・役場で行う国民健康保険の加入や国保の軽減申請、年金の免除申請など、このブログに掲載している記事の中からピックアップしてまとめてみました。
これから会社を辞める人、既に退職した人で手続き等を調べている方がいたら、ぜひ参考にしてみてください。
失業・退職したときにハローワークで行う手続き
失業手当の支給額は、離職前の給与(6ヶ月の平均)や雇用保険に加入していた期間、年齢、離職理由などをもとに決まります。
そこで、1円でも多く失業手当をもらうために、できれば退職前に確認しておいてほしいことをまとめました。
退職前にご覧になっている方がいたら、まず、こちらの記事から確認してみてください。
それでは、退職後、ハローワークで失業手当をもらう手続きについて確認していきましょう。
失業手当の受給手続き
失業手当の受給申請は、お住まいの住所地を管轄するハローワーク(職業安定所)で、本人のみ手続きをすることができます。
退職後の手続きの流れは、次のとおりです。
自己都合退職した人の給付制限が「3ヶ月」→「2ヶ月」に!
令和2年(2020年)10月1日から自己都合で退職した人の給付制限が、これまでの「3ヶ月」から「2ヶ月」に短縮されました。(つまり、2020年10月1日以降に自己都合で退職された方は、1ヶ月早く失業手当が受給できるようになります。)
まずは離職票を入手する
離職票とは、在職中にもらっていた給与や離職理由が記載されている書類で、ここに記載されている情報をもとに失業手当の支給額や支給期間が決まることになっています。
この離職票は、退職するときにはもらうことができず、退職後、1週間~10日前後で前の会社から自宅に郵送されてきます。(取りに行く場合もあります。)
失業手当を1日でも早くもらいたいという人は、退職前に「離職票の手続き、お願いしますね!」と、一言伝えておきましょう。
離職票が届かないという人は、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶退職後に離職票が届かない!郵送されるまでの期間と届かない時の対処法
離職票が届いたら、給与額や離職理由が間違っていないかを確認し、本人記載欄に記入をしてください。
▶失業手当の受給手続き!ハローワークに提出する離職票1・2の書き方
離職票の記入が終わったら、いよいよハローワークで失業手当をもらう手続きに入りますが、その前に「退職後は夫や妻の健康保険の扶養に入るよ!」という方は、こちらの記事をチェックしておいてください。
▶失業手当をもらうと扶養に入れない!?失業手当と扶養はどっちがお得?
ハローワークで失業手当の受給申請をする
こちらの記事では、初回の手続きで必要になる書類や申請方法を確認することができますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶失業手当の申請!退職後ハローワークに持参するものと初回の手続き内容
失業手当はいくらもらえるの?
こちらの記事では、失業手当の支給額の調べ方や計算方法を解説しています。
▶ハローワークの失業手当はいくらもらえるの?支給額の計算方法を確認
65歳以上の人は「高年齢求職者給付金」が支給されます。
現在は、65歳以上の人でも雇用保険に加入することができるようになり、退職後(条件を満たせば)何度でも失業手当が受給できるようになっています。
▶65歳以上の失業手当「高年齢求職者給付金」はいつ?いくらもらえるの?
失業手当はいつ振り込まれるの?
できれば、事前に把握しておきたいですよね。
こちらの記事では、失業手当(初回)が振り込まれるまでの日数を確認することができますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶失業手当の初回っていつもらえるの?退職してから振込までの日数を確認
失業中は求職活動が必要です!
失業手当の受給手続きが完了したら、「あとは失業手当が振り込まれるのを待つだけ!」というわけにはいきません。
失業手当をもらうためには、原則4週間ごとに1回指定される「失業認定日」に、ハローワークへ失業認定申告書を提出する必要があります。
▶ハローワークに提出する「失業認定申告書」の書き方をわかりやすく解説
この失業認定申告書には、「認定日の前日までの支給対象期間に、ちゃんと就職活動をしていたか?」を記入する欄がありますが、原則2回以上の求職活動の実績が必要です。(※会社都合で離職した人の場合は、初回の認定日までなら求職活動は1回でokです。)
一般的な求職活動というと「ハローワークに出向いて職業相談」を思い浮かべる人が多いと思いますが、もっと簡単に求職活動の実績を稼ぐ方法がありますので、よろしければこちらの記事も参考にしてみてください。
▶失業認定うっかりミスで求職活動が足りない!前日に実績2回を作る方法
求職活動をするため、お子さんを保育園等に預けたときには、その保育料の一部が支給される「求職活動関係役務利用費」という制度があるのをご存知ですか?
保育料の一部といっても、支払った保育料の80%(1日あたり最大6,400円)が支給されますので、求職活動と育児を両立している方がいたら、ぜひチェックしてみてください。
▶求職活動関係役務利用費っていくらもらえる?支給額の計算方法を解説
令和元年10月1日から保育料の無償化がスタートしています!3歳~5歳までのお子さんがいる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
失業手当受給中期間中のアルバイトや内職は?
こちらの記事では「いくらまでなら内職で稼いでも失業手当は全額もらえるのか?」内職をしながら失業手当を全額もらう方法をまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶失業手当、内職しながら全額もらう方法!受給中に稼いでいい金額は?
再就職が決まったときの手続き
失業手当をもらっている期間(受給期間中)に再就職が決まった場合は、ハローワークから再就職手当が支給される場合があります。
再就職手当のもらい方
「再就職手当は、実際いくらもらえるのか?」こちらの記事では、計算方法や支給条件を確認することができますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶ハローワークの再就職手当はいつ?いくらもらえるの?計算方法と支給日数
その再就職手当の申請方法については、こちらの記事にまとめています。
▶ハローワーク再就職手当の申請方法と支給申請書の書き方を記入例で確認
再就職手当には、もう一つセットで付いてくる手当があるのをご存知ですか?
それは、就職した会社の給与が以前よりも減った場合にもらうことのできる手当「就業促進定着手当」です。これから再就職手当をもらう予定のある人は、是非チェックしてみてください。
就業促進定着手当のもらい方
再就職後に新しい会社の給与が前職の給与より少なくなった場合は、ハローワークから「就業促進定着手当」が支給される場合があります。
就業促進定着手当の支給条件や支給額の計算方法については、こちら記事で確認することができます。
▶就業促進定着手当っていくらもらえるの?支給額の計算方法と申請期限
また、就業促進定着手当の申請方法については、こちらの記事で確認することができますので、参考にしてみてください。
▶就業促進定着手当の申請方法と支給申請書の書き方を記入例で確認!
常用就職支度手当のもらい方
再就職までの期間が長期化しそうな人(就職困難者)には、再就職手当の代わりになる「常用就職支度手当」という制度が用意されているのをご存じですか?
この「常用就職支度手当」には再就職手当のような期間の縛りがないため、支給残日数が1日でも残っていればもらえる手当です。
▶常用就職支度手当の支給要件・申請方法をハローワークで聞いてみた!
失業手当の受給が終了してももらえる給付金
ハローワークには雇用保険に加入していない場合でも、失業手当のように毎月一定の給付金を受け取ることができる制度があるのをご存知ですか?
この制度は「求職者支援制度」といって、職業訓練を受ければ、毎月一定の給付金(職業訓練受講給付金)をもらうことができるお得な制度です。
そこで、こちらの記事では求職者支援制度の職業訓練受講給付金について、支給条件や支給金額、申込方法から職業訓練受講給付金を受け取るまでの流れなどをまとめています。
▶ハローワーク求職者支援!職業訓練受講給付金【月10万円】をもらう方法
失業・退職したときに市区役所・町村役場で行う手続き
国民健康保険の加入手続き
会社を退職したあとに、
- 今まで加入していた健康保険の「任意継続(最長2年)」に加入する
- 扶養家族になる
- 空白期間がないまま次の会社へ就職する
という人以外は、会社で加入していた社会保険(健康保険・厚生年金など)を脱退することになるため、退職日の翌日から14日以内に国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。(手続きは自動的に行われないので注意してくださいね!)
国民健康保険と国民年金の加入手続きは、お住まいの市区町村窓口で手続きをすることができます。
退職後の国保加入手続きについては、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶退職して社保から国民健康保険に切り替えるときの手続き方法を解説!
退職後、夫(妻)や両親の扶養に入るという方は、こちらに条件や手続き方法などをまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶退職後に扶養に入る条件と手続方法!扶養中に収入がオーバーしたら?
退職後は国民健康保険に加入せず、今まで加入していた健康保険に継続して加入することができます。こちらの記事では、任意継続と国民健康保険の保険料を比較していますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶退職後の国保と任意継続どっちがお得?保険料を収入別に比較してみた!
国保の軽減制度を活用しよう!
国民健康保険料は市区町村ごとで異なりますが、正直、失業直後に保険料の負担はキツイですよね。。。
そこで、離職理由が会社都合の場合は、国民健康保険料(税)が減額される軽減制度が用意されていますので、該当する方は、ぜひ活用するようにしてください。
▶国保の軽減:失業したときの保険料はいくら?計算方法と申請方法を確認
中には、失業手当の受給期間を延長する人もいると思いますが、受給期間延長中の国保軽減はどうなるのか?ハローワークと役所で確認してみましたので、よろしければ参考にしてみてください。
▶受給期間延長中に国保の軽減は受けられる?ハローワークに聞いてみた!
離職理由が自己都合の場合は、残念ながら軽減制度を利用することはできません。また、保険料は、前年の所得で計算されるため負担も大きくなってしまいます。
(さらに、国保には扶養という概念がないため、たとえ無職で収入がない人(妻や子ども)でも保険料が発生します。)
もし、保険料を納めることができない場合は分割納付も可能なので、一度市区町村の国保担当課で相談することをおススメします。
▶国民健康保険料が払えない!滞納処分の前にやるべきこと【実体験版】
こちらの記事では、国民健康保険料の計算方法を解説していますので、事前に保険料を把握しておきたいという方は参考にしてみてください。
▶国民健康保険料の計算方法、収入のない妻や子供の保険料も確認!
国民年金への加入手続き
サラリーマンの方は退職すると、厚生年金・共済組合から脱退することになるため、新たに「国民年金」に加入する手続きが必要です。
▶退職したときの「国民年金」切替え手続き!保険料はいつから払う?
※ただし、退職後すぐに再就職が決まっている場合は、国民年金保険料が発生しないケースもあり、加入手続きが不要な場合もあります。
▶<国民年金>退職後すぐに再就職する場合でも加入する必要がある?
国民年金の免除を申請しよう!
令和5年度(令和5年4月~令和6年3月分)の国民年金保険料は、月額16,520円です。
会社を退職した人やリストラ等で失業してしまった人、事業を辞めた人は、収入がなくなり年金の支払いが大きな負担になってきます。
そこで、退職・失業した人に対して「本来支払うべき年金の全額または一部を免除することができますよ!」という制度が用意されています。
会社を退職した人、倒産やリストラ等で失業してしまった人、事業を辞めた人が「年金の免除を受けるためにはどうすればいいのか?」条件や申請方法についてまとめました記事がありますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶失業したときは年金免除がお得!申請方法と将来の年金への影響を確認
こちらの記事では、退職・失業した人が「退職(失業)特例免除」を申請するときに記入する国民年金保険料免除申請書の書き方を記入例とあわせてまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶<年金免除>退職・失業したときの特例免除申請書の書き方と記入例
もし、年金の免除期間中に就職が決まったときは、どのような手続きが必要なのか?先日年金事務所で聞いてきましたので、よろしければ参考にしてみてください。
▶年金免除期間中に就職が決まったら?年金免除をやめるときの手続方法
住民税は給与から天引きされていると思いますが、退職後は給与がもらえないので、住民税を払わなくて済むと思っている人もいます。
ですが、、、退職後も住民税を支払う必要があります。
こちらの記事では、退職後の住民税の支払い方法についてまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶退職後の住民税はどうなる?支払方法と無職の翌年の住民税を確認
最後に
年の途中で会社を退職し、その年に再就職をしていない場合は、働いていた期間の税金が清算(年末調整)されていません。
退職までに給与から源泉徴収された税金は1年間収入が続くことが前提になっているため、年の途中で退職して再就職していない場合は、税金を払い過ぎていることが多いです。また、所得が減れば住民税も安くなりますので、年の途中で退職して、再就職していない人は確定申告書をおススメします。
申告書は簡単に作成できますので、よろしければこちらの記事も参考にしてみてください。
▶<令和4年分>年の途中で退職した人の確定申告書を入力だけで作成する方法