これまで従業員数100人以下の会社で配偶者の扶養の範囲内で働くためには年収130万円未満(130万円の壁)で働く必要がありましたが、2023年10月から2年間は年収が130万円を超えても事業主が「これは一時的な収入増ですよ」ということを証明すれば、扶養のままでOKというルールが設けられました。

これを証明するためには事業主側が「一時的な収入変動に係る事業主の証明書」に必要事項を記入する必要があります。

そこで今回は「一時的な収入変動に係る事業主の証明書」の書き方を記入例付で解説します。

一時的な収入変動に係る事業主の証明書の書き方

一時的な収入変動に係る事業主の証明書 書き方

今回は一時的な収入変動に係る事業主の証明書の「A.被保険者・被扶養者記載欄」→「B.被扶養者を雇う事業主の記載欄」の順に書き方を解説します。

※この記事では、被保険者(会社員の夫)と被扶養者(パート・アルバイトの妻)という設定で記入例を作成しています。

被保険者・被扶養者記載欄の書き方

被保険者・被扶養者欄 記入例

まず、被保険者(扶養する側)の氏名(フリガナ)と被保険者等記号・番号を記入します。続いて、被扶養者(扶養される側)の氏名(フリガナ)と被保険者等記号・番号も同様に記入してください。


被扶養者を雇う事業主の記載欄の書き方

被扶養者を雇う事業主の記載欄 記入例

まず、被扶養者を雇っているパート・アルバイト先の事業所所在地・事業所名称・事業主氏名・電話番号を記入します。こちらの記入は特に問題ないと思いますので、記入例を参考に記入してください。



雇用契約等により本来想定年間収入
こちらには、パート・アルバイトさんへ本来支払う年収(契約書に記載があればその金額)を記入してください。この金額が130万円を超えていると、そもそも扶養から外れてしまうので、こちらは130万円未満で記入する必要があります。

Check!
今回の「年収130万円以上でも扶養OK」というのは、パート・アルバイト先の従業員数が100人以下の場合です。パート・アルバイト先の従業員数が100人超の場合は、年収106万円以上(106万円の壁)でパート先の社会保険に強制加入となりますので注意してください。



人手不足による労働時間延長等が行われた期間

雇っているパート・アルバイトさんが労働時間を延長して働いた期間を記入します。記入例では4月~10月まで普段より多く働いてもらったということで4月~10月と記入しています。

Check!

一時的な収入変動とは?

厚生労働省のQ&Aを見ると、

  • 受注が好調で業務量増加で忙しくなったから
  • 突発的な大口案件が入り忙しくなったから
  • 他の従業員が退職・求職したため忙しくなったから

などと記載されています。

もともとは、繁忙期だけ認められるのでは?と噂されていましたが、この条件であれば1~2年という長いスパンで働いてもOKということになりますね。

一時的な収入には上限がないってホント??

「一時的な収入」に上限を設けてしまうと、この上限が新たな「年収の壁」となってしまう可能性があるため上限がない(※)のもポイントです。

(※ただし、被扶養者(妻)の年間収入が被保険者(夫)の年間収入を上回る(または1/2以上)場合は被扶養者の認定を取り消される場合がありますので、それぞれ加入している健康保険組合に確認するようにしてください。)


以上で記入は終了です。



この書類は、各保険者(協会けんぽや健康保険組合)が行っている被扶養者(妻)の収入確認のタイミングに合わせて、被保険者(夫)の勤務先を通じて各保険者(協会けんぽや健康保険組合)へ提出することになります。

最後に

私の勤務先では新たな人を採用して一から育てるより、今働いている方の労働時間を長くした方がいいという考え方なので、希望があれば喜んで記入するスタンスです。

また、雇用契約上は年収129万円までに抑えて、あとは残業代等で支払うことにすれば2年間は扶養のまま働けるので、この辺もパートさんと相談した上でうまく利用したいですね。