退職すると今まで会社で加入していた社会保険(健康保険・厚生年金など)を脱退することになりますが、退職後はどの健康保険に加入したらいいのか?よくわからないという人もいると思います。(実際、私の勤務先でもよくある質問です。)
そこで今回は、退職後の健康保険の選択肢と退職後に社会保険から国民健康保険に切り替えるときの手続き方法を解説していきます。
退職後の健康保険の選択肢
まずはじめに、退職後は必ず国民健康保険に加入しなければいけないというわけでありませんので、退職後の健康保険の選択肢からご説明していきます。
退職後の健康保険は次の4つの中から選ぶことができます。(※60歳未満の人を対象にまとめています。)
①家族の扶養に入る
両親や夫(妻)など、家族の健康保険の扶養に入ることができる場合は、国民健康保険に加入しなくてokです。
▶退職後に扶養に入る条件と手続方法!扶養中に収入がオーバーしたら?
②任意継続制度に加入する
退職後は国民健康保険に加入せず、会社で加入していた健康保険に引き続き加入することもできます。(最長2年)
▶退職後の健康保険「任意継続」保険料の調べ方と加入方法を解説
③転職先の社会保険に加入する
退職後すぐに(退職日の翌日から)再就職先の社会保険に加入する場合は、国民健康保険に加入する必要がありません。
④国民健康保険に加入する
上記の①②③を選択しない場合は、国民健康保険に加入する必要があります。
国民健康保険は、自営業者やパート・アルバイトなど、職場で健康保険に加入していない人が加入する保険です。
医療費の自己負担は、(原則的に)いずれも3割負担なので、比較するポイントは「保険料」と「給付内容」になりますが、扶養に入る場合は「保険料」の負担がないため、まずは退職後に家族の扶養に入れるか?を優先的に検討してみてください。
次に、国民健康保険と任意継続の比較になりますが、こちらの記事では保険料を収入別に比較してまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶退職後の国保と任意継続どっちがお得?保険料を収入別に比較してみた!
では、ここからは退職後に社会保険から国民健康保険に切り替える場合の手続き方法を解説していきます。
社会保険から国民健康保険に加入するときの手続き方法
手続きの順番は、「社会保険をやめる手続き」⇒「国民健康保険の加入手続き」となります。
社会保険をやめるときの手続き
まず、退職日に保険証を会社へ返却します。(※扶養に入っていた方がいる場合は、全員分の保険証を返却してください。)
続いて、「社会保険資格喪失証明書」を受け取ります。(※会社によっては後日郵送という場合もあります。)
「社会保険資格喪失証明書」とは、社会保険に加入していた期間を証明する書類で、国民健康保険に加入するときに必要な書類です。
▶社保から国保加入:退職して資格喪失証明書が届かないときの対処法
あとは、会社と年金事務所の間で社会保険の脱退(資格喪失)手続きが行われますので、本人が手続きをすることはありません。
「退職するときの社会保険料はいつの分までを支払うのか?」について調べている方がいたら、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶退職時期と社会保険料!最後の給料から2ヶ月分引かれるケースを確認
国民健康保険に加入するときに手続き
続いて、国民健康保険の加入方法を解説します。
手続きをするところ
退職した日の翌日から14日以内に下記の必要書類を持参して、お住まいの市区町村(国民健康保険担当課)で国民健康保険の加入手続きを行います。
手続きに必要なもの
(※扶養家族がいない場合は、退職年月日が記載されている退職証明書・離職票・源泉徴収票などでも手続きをすることができます。)
今まで扶養に入っていた家族(妻や子ども)も一緒に国民健康保険に加入する場合は、全員分の健康保険をやめた日が確認できる「社会保険資格証明書」とマイナンバーカードまたは通知カードを持参するようにしてください。
国民健康保険証が発行されるまでの期間
本人が直接窓口で手続きをする場合は、国民健康保険証は即日発行となります。
ただし、本人以外の代理人(家族など)が手続きをする場合は、後日、郵送で自宅に送られる「郵送交付」という市区町村もありますので、すぐに保険証が必要な場合は事前に確認するようにしてください。
「国民健康保険に加入した場合、保険料はいつから支払うか?」について調べている方がいたら、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶<国民健康保険>月の途中で加入orやめたときの保険料の支払いは?
最後に
今回は退職後に社会保険から国民健康保険に切り替えるときの手続きをまとめてみましたが、退職したときには国民健康保険料の軽減や国民年金保険料の免除などを受けることができる場合がありますので、よろしければこちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
▶失業・退職したときの(失業手当、年金免除、国保軽減)手続きまとめ!