失業手当をもらい切る前に再就職が決まると、少し損した気分になる人もいると思います。

でも、ご心配なく!

失業手当を多く残して再就職した人には、「ハローワークから就職祝い金がもらえる」再就職手当というお得な制度があります!

そこで今回は、再就職手当はいつ?いくらもらえるのか?支給条件や支給時期、支給額の計算方法などを詳しく解説しています。

再就職が決まった場合、失業手当はいつまでもらえるの?

再就職手当 いつ いくら

まず、受給中の失業手当についてですが、再就職が決まるとその時点でいきなり支給がストップするわけではなく、再就職先に入社する前日まで支給されることになっています。


そこで、再就職した日(入社日)にもらっていない失業手当が多く残っている場合は、残った日数分は「ハローワークから就職祝いとして、給付金を支給してあげますよ!」これが再就職手当になります。


それでは、実際にいくらもらえるのか?支給条件とあわせて確認していきましょう。

再就職手当はいくらもらえるの?

再就職手当は、所定給付日数(もらえる失業手当の日数)に対して、支給残日数(もらい終えていない失業手当)が何日分残っているか?で、支給率や支給額が変わってきます。


計算式は、次のとおりです。

所定給付日数の3分の1以上残して再就職した場合

基本手当日額×支給残日数×60%=再就職手当


所定給付日数の3分の2以上残して再就職した場合

基本手当日額×支給残日数×70%=再就職手当


このように、いくら失業手当の受給中に再就職決まったからといっても、支給残日数が最低でも3分の1以上残っていないと、再就職手当はもらえないということなります。

再就職までの期間が長期化しそうな人(就職困難者)には、再就職手当の代わりになる「常用就職支度手当」という制度が用意されているのをご存じですか?

この「常用就職支度手当」は期間の縛りがないので支給残日数が1日でも残っていればもらえる手当です。

常用就職支度手当の支給要件・申請方法をハローワークで聞いてみた!



ここからは、計算に必要な「基本手当日額」「所定給付日数」「支給残日数」「支給率(60%・70%)」の調べ方を順番に解説していきます。


基本手当日額と所定給付日数の調べ方

基本手当日額(1)と所定給付日数(2)はどちらも雇用保険受給資格証で確認することができます。
雇用保険受給資格者証 所定給付日数

Check!
基本手当日額の上限

再就職手当の計算に使う基本手当日額には、上限が設定されています。基本手当日額が、次の額をオーバーしている人は上限額を使って計算していきます。

離職時の年齢が59歳以下の人:6,395円

離職時の年齢が60歳~64歳の人:5,170円

(※令和6年8月1日~令和7年7月31日までの金額です。)


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支給残日数の調べ方

続いて、支給残日数の確認方法を解説していきます。


失業手当は、再就職が決まってもすぐに打ち切りにはならず、就職日の前日まで支給されることになっていましたね。

再就職手当 支給残日数 確認方法

(※実際には、就職日の前日にハローワークで最後の失業認定を受けることで、就職日の前日までの失業手当が支給される仕組みになっています。)


つまり、就職日に支給残日数が何日残っているかということになります。


支給残日数は以下の計算方法で調べることができます。


「所定給付日数-就職の前日までの支給日数=支給残日数」



例えば、所定給付日数が180日(給付制限なし)の人が、受給資格決定日から40日目に就職した場合、就職日の前日までの支給日数は32日です。

(40日-1日(就職日の前日)-7日(待機)=32日)


支給残日数は、148日となります。

(180日(所定給付日数)-32日(就職日前日までの支給日数)=148日)


支給率の調べ方

支給率(60%または70%)は、所定給付日数支給残日数を使い調べることができます。


下の表に所定給付日数と支給残日数を当てはめて支給率(60%または70%)を確認することができます。
再就職手当の支給残日数

先ほどの例(所定給付日数180日、支給残日数148日)で確認すると、↓のように支給率は「70%」となります。
再就職手当 支給率


再就職手当の計算方法を確認

では、実際に計算例を見ながら支給額を確認してみましょう。

<Aさん38歳の例>
基本手当日額:5,000円
所定給付日数:90日
支給残日数:7日間の待機満了日後、給付制限(2ヶ月)期間中に就職した場合



所定給付日数90日に対して、失業手当の支給残日数は丸々90日残っていますので、支給率は70%ですね。
再就職手当 計算


計算式は「基本手当日額×支給残日数×70%」を使います。

5,000円×90日×70%=315,000円


Aさんの再就職手当は315,000円となります。

再就職したことで支給残日数のうち「63日分」が就職祝い金としてハローワークから一括支給されますので、ちょっとしたボーナスになりますね。

Check!
給付制限期間中の再就職は注意!

給付制限中の最初の1ヶ月に再就職をする場合は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職した場合が支給対象となります。(知人等の紹介で再就職をした場合は、支給対象外となりますので注意してください。)

再就職手当 令和5年


<Bさん45歳の例>
基本手当日額:6,500円
所定給付日数:180日
支給残日数:70日(再就職日「入社日」の支給残日数)



所定給付日数180日に対して、支給残日数は70日なので、給付率は60%ですね。
再就職手当 支給残日数

計算式は「基本手当日額×支給残日数×60%」を使います。


Bさんの基本手当日額(6,500円)は、上限をオーバーしていますので、上限額(6,395円)を使い計算していきます。

6,395円×70日×60%=268,590円


Bさんの再就職手当は268,590円となります。

(再就職したことで、支給残日数70日のうち42日分がもらえることになります。)

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再就職手当はいつもらえるの?

もらえる金額がわかったところで、次に再就職手当はいつもらえるのか?支給されるまでの期間を確認していきましょう。

①再就職(入社日)が決まる


②ハローワークに報告する


③再就職先に「採用証明書」を記入してもらう
採用証明書は「受給資格者のしおり」の中に入っています。


④入社日の前日にハローワークで「最後の失業認定」を受ける。同時に「再就職手当支給申請書」をもらう
このとき必要なものは、「採用証明書・失業認定申告書・雇用保険受給資格者証・印鑑」です。(この日までで失業手当の支給が終わります。)


⑤入社
「再就職手当支給申請書」を記入してもらう


⑥ハローワークで再就職手当の申請をする


⑦約1ヶ月前後に、ハローワークから再就職先へ在籍確認が入る


⑧ハローワークから再就職手当支給決定通知書が届く


⑨数日(最短1日~2日)後、指定した銀行口座へ「再就職手当」が一括で入金される

という流れになりますので、再就職手当が入金されるまでの期間は再就職後、約1ヶ月となります。

再就職手当の申請方法については、こちらの記事にまとめていますので、参考にしてみてください。
ハローワーク再就職手当の申請方法と支給申請書の書き方を記入例で確認

再就職手当の支給条件

最後に再就職手当の支給条件を確認しておきましょう。

  • 7日間の待機期間満了後に就職、または事業を開始した場合
  • 就職日の前日までの失業認定を受けた上で、失業手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 1年を超えて勤務することが確実であること
  • 再就職手当の支給決定日までに離職していないこと
  • 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと
  • 以前勤めていた会社に再就職していないこと
  • ハローワークに求職の申込をする前から内定していた雇用でないこと
  • 雇用保険に加入していること

支給条件は結構多いですが、中でも特に抑えておきたいのが、「1年を超えて勤務することが確実であること」です。


1年契約で働く非正規雇用の場合は、再就職しても支給対象外になってしまうので注意してください。(※会社が「1年超雇用する見込みがある」ことを証明してくれる場合は、受給可能です。)

こちらの記事では、再就職したときに行う手続きをまとめていますので、よろしければあわせて参考にしてみてください。

再就職したときに必要な手続き!ハローワーク・国保・年金・住民税まとめ

最後に

再就職手当には、もう一つセットで付いてくる手当があるのを、ご存知ですか?

それは、就職した会社の給与が以前よりも減った場合にもらうことのできる手当です。これから再就職手当をもらう予定のある人は、是非チェックしてみてください。

就業促進定着手当っていくらもらえるの?支給額の計算方法と申請期限

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