個人事業主やフリーランスの方の中には、本業で得た収入を雑所得・給与所得として申告していため、持続化給付金の対象から外れていた方も多いと思いますが、2020年6月29日(月)から給付対象が拡大され、雑所得や給与所得で申告していた方も持続化給付金の対象になることが決まりました!
そこで今回は、雑所得・給与所得で申告している人の給付条件や必要書類、申請方法について、コールセンターで確認した内容をまとめましたので、よろしければ参考にしてみてください。
※持続化給付金の申請は2021年2月15日で終了しています。
持続化給付金(雑所得・給与所得で申告している人)の給付条件
新たに、持続化給付金の対象になる方は、主たる収入が雑所得・給与所得の個人事業主・フリーランスの方です。
本日(6/26)、新たな給付条件が発表されましたので、確認していきましょう。
新たに持続化給付金の対象になる人は、次の①~④すべてに該当する方です。
①雇用契約によらず、業務委託契約等に基づく事業活動からの収入がある方で、これらの収入を確定申告における主たる収入として、雑所得または給与所得の収入として確定申告をした方
つまり、業務委託契約を基づいた収入なのに、税の申告方法の違いだけで、持続化給付金の対象から外れていた個人事業主・フリーランスの方が対象で、会社等に雇用されている会社員(サラリーマン)、パート・アルバイト、派遣、日雇い労働等の方は「業務委託等に基づく収入」ではないため、給付対象外となります。
また、雇用されていて給与収入がある場合は申請ができないため、会社員をしながら副業している方についても対象外となっています。
(「給与所得」で対象になる方の例をあげると、例えば音楽教室の非常勤講師として業務委託契約を交わし、その報酬を給与としてもらっている方などです。)
②今年の対象月の収入が昨年の月平均収入と比べて50%以上減少している方
2020年1月~2020年12月のいずれかの月の売上が、前年(2019年)同月と比べて50%以上減少している月がひと月でもあれば対象となります。
こちらの記事では、比較方法を具体的に解説していますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶<持続化給付金>個人事業主フリーランスで白色申告している人の計算方法
③2019年以前から被雇用者または被扶養者でない方
2019年以前とは2019年も含めますので、昨年の時点で会社等に雇用されている会社員(サラリーマン)、パート・アルバイト・派遣・日雇い労働等の方は対象外となります。(※2019年中に独立・開業した場合は対象になります。)
また、「扶養に入っている方」についても、被保険者の収入により生計が維持されているため、給付対象外ということでした。
(従来の持続化給付金では対象外にならなかったんですが、なぜ今回この条件が組み込まれたのか疑問に思います。)
④今後も事業を継続する意思がある方
もうすぐ廃業する予定・すでに廃業している場合は、給付対象外となりますので、注意してください。
給付額の確認方法
持続化給付金の給付額は、「白色申告をしている方」と同様の方法で求めることができます。
前年(2019年)の総売上から月の平均売上を出し、その売上と2020年1月~2020年12月のいずれかの月の売上を比較して50%以上減少している場合は、最大100万円の給付を受けることができます。
具体的な計算方法については、こちらで詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
▶<持続化給付金>個人事業主フリーランスで白色申告している人の計算方法
申請方法
申請受付は、2020年6月29日(月)からスタートしています。
申請方法は、持続化給付金ホームーページから「オンライン」で申請するか「全国に設置されている申請サポート会場」からの申請となります。
以前は「今年創業・開業した方向け」に別のサイトが立ち上がるということでしたが、今まで通り「持続化給付金のホームページ」から申請が可能です。(2020年9月1日以降に申請する方は、サイトのデザインが↓に変わっています。)
(個人事業者等の「主たる収入が雑・給与所得」を選択し、「申請する」をクリックすると申請を開始することができます。)
申請期間は、2020年6月29日(月)~2021年2月15日(月)までです。
全国に設置した申請サポート会場で申請する場合は、事前予約が必要になりますので、こちらの記事を参考にしてみてください。
雑所得・給与所得で申請する方の必要書類
続いて、雑所得・給与所得の方が申請するときに、提出する書類を確認していきましょう。
<必要書類>
ここからは、それぞれの書類について、具体的に解説していきます。
収入が業務委託契約等の事業活動からであることを示す書類
次の①~③の3種類の書類の中からいずれか2つの書類を選ぶことができます。
①の「業務委託契約書」には、業務内容、契約期間、報酬などが記載されている必要がありますが、記載されていない場合や、契約書自体ないという場合は、事務局で用意されている書式「持続化給付金業務委託契約等契約申立書」を利用してください。
こちらの書類は、申請規程(12ページ)からダウンロードすることができます。
②の「支払調書」と「源泉徴収票」は、どちらも2019年(令和元年)分のものが必要です。
支払調書や源泉徴収票がない場合は、支払者の署名または記名押印されている「支払い明細書(※)」で代替することも可能です。ただし、書類審査に時間がかかるということなので、できれば「支払調書」や「源泉徴収票」を再発行してもらってください。
※様式は問われていませんが、支払者が発行した2019年の支払いを示す明細書で、「支払者」「支払先(申請者)」「金額」「時期」が記載されている必要がります。(申請者が発行する領収書・請求書・発注書等は証拠書類として認められないということなので、注意してください。)
③の「通帳の写し」は、通帳の名義人が記載されている部分と業務委託の報酬とわかる部分にマーカー等で印をつけたものが必要です。
ネットバンク等で紙媒体の通帳がない場合は、電子通帳等の画面をスクリーンショットで保存したものを添付してください。
これらの書類は、業務委託を受け、事業として収入を得ていたことを証明するために必要になります。
国民健康保険証の写し
給与所得・雑所得の方の給付条件に「被雇用者または被扶養者ではないこと」が追加されたため、その証明として国民健康保険証(表面のみ)の写しが必要になります。
国民健康保険証は、有効期限内のもので、資格取得日(適用開始年月日)は2019年以前になっている必要がありますので、注意してください。
ただし、退職後、任意継続に加入している方は「健康保険証と退職証明書」または「健康保険証と離職票」のどちらか1セットで代替可能です。また、後期高齢医療被保険者の方は「後期高齢者医療被保険者証」で申請することができます。
2019年(令和元年)分の確定申告書第一表(1枚)
※税務署の「収受日付印」が押されている必要があります。
税務署の収受日付印が押印されていない場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。
※雇用契約によらない業務委託契約等に基づく事業活動からの収入を、給与として受け取っているため、確定申告義務がなく、確定申告していない方は、確定申告書第一表の控を、税理士の確認を受けた「確定申告を要しないこと及び収入金額に係る申立書」で代替することができます。
期間限定!税理士による確認依頼が無料に!(2020年7月17日更新)
主たる収入を給与所得や雑所得で確定申告をしていた個人事業主・フリーランスの方や、2020年1月~3月に新規創業した事業者の中には、「経済的な理由で税理士に依頼できないため、申請が止まっている」という方もいると思います。
そこで「日本税理士会連合会」は、下記の期間、無料で税理士の確認を受け付けると発表しました!(つまり、持続化給付金の申請に必要な税理士の確認を、無料で受け付けてくれるということです。)
無料受付期間:令和2年7月14日~8月31日まで(※2020年8月31日で受付は終了しました。)
詳細については、「日本税理士会連合会(日税連)のホームページ」で、確認することができますので、ぜひチェックしてみてください!
2020年度の対象とする月(売上が50%以上減少している月)の売上台帳等
フォーマットの指定はありませんので、経理ソフト等から抽出したデータ、エクセルデータ、手書きの売上帳などでokです。ただし、書類には、対象月(売上が減少した月)のものとわかるように「2020年〇月」と記載するのを忘れないようにしてください。
<参考例(こちらの形式で5月に申請した分は、実際に審査を通過して入金されています。)>
※対象月の売上が全くない場合でも、合計額に「0円」が記載されている売上台帳等が必要です。
通帳の写し
給付金の振込先口座の情報を確認するため、銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・口座名義人が確認できるものが必要です。
通帳の場合は「表面」と「通帳を開いた1・2ページ目」の両方の写しを添付しますが、ネットバンク等で紙媒体の通帳がない場合は、電子通帳等の画面をスクリーンショットで保存して添付してください。
顔写真付きの本人確認書類の写し
運転免許証の場合は表裏をそれぞれ添付しますので、ファイルは表と裏の2部用意してください。(返納している場合は、運転経歴証明書でも可。)
個人番号カード、写真付き住民基本台帳カードの場合は表面のみ。在留カードの場合は表裏必要です。
顔写真付きの本人確認書類がない場合は、次のセットでも申請が可能です。
「住民票の写し」+「パスポート」
「住民票の写し」+「保険証(両面コピー)」
以上が必要書類となりますが、添付する書類はスキャン画像以外に、スマホやデジカメで撮影した写真でも(綺麗に映っていれば)OKです。(対応ファイル形式はPDF・PNG・JPGです。)
持続化給付金に続き、「家賃支援給付金」が創設される見通しです!家賃支援給付金は、家賃の3分の2を半年間分、一括で支給してくれる制度なので、ぜひチェックしてみてください。
最後に
持続化給付金の対象が給与所得・雑所得の方にも拡大されたことは本当によかったと思いますが、従来の持続化給付金よりも申請条件が厳しくなっているように感じてしまいました。
この条件であれば、雑所得を事業所得に変えて、従来の持続化給付金を申請する人も出てくるかもしれませんね。
▶<持続化給付金>確定申告書の雑所得を事業所得に変更することはできる?