先日、従業員の雇用を守るため、雇用調整助成金が大幅に拡充されましたが、中には会社が雇用調整助成金を申請してくれないため、「無給状態になっている」「休業中は有給を消化させられている」「仕事(勤務時間)が減り、給与が激減している」という方も多いと思います。

この問題を受けて政府は、会社から休業手当を受け取れない中小企業の従業員やパートアルバイトの方に、国から直接支給する「休業支援金」制度を創設すると発表しました。

そこで今回は、休業中の新しい給付金制度「休業支援金」について解説していきます。

2020年5月27日追記

本日、第2次補正予算が閣議決定され、休業支援金についての発表がありましたので、記事の内容を更新しています。まだ決まっていない点については、今後発表され次第、随時更新していきます。

休業中の労働者に新たな給付金制度創設へ

雇用調整給付金

まず、「雇用調整助成金」の代わりに「休業支援金」が、創設されることになった経緯を簡単にご説明します。


「雇用調整助成金」とは

会社は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、出勤できない従業員に対して休業手当を支給します。その後、会社は国に賃金(休業手当)の一部が助成される「雇用調整助成金」を申請して、給付を受ける制度です。

雇用調整給付金①

①会社が従業員に対して休業手当を支払う。

②後日会社はハローワークへ雇用調整助成金を申請する。

③ハローワークから会社へ雇用調整助成金が支給される。


つまり、「従業員へ支払った休業手当は、あとで国が補填(上限あり)するから、なんとか解雇はしないでください。」という制度です。



一見すると何も問題ない制度に見えますよね。ですが、この制度、、、、利用する会社(特に中小企業)が少ないのが現状なんです。


なぜ雇用調整助成金制度は不人気なのか?

主な理由(実際に私が手続きをして思うこと)は、次の3つです。

  • 先に従業員に賃金を支払わなければいけない(経営者は資金繰り悪化を懸念)
  • 制度が複雑で申請書類を揃えるのが本当に大変
  • 国(ハローワーク)から会社に入金されるのが、とにかく遅い(いつ入金されるかわからない)



このような理由から、雇用調整助成金を申請する会社が少ない=休業手当が支払われないという状況になっています。(雇用調整助成金を申請せず、従業員へ休業手当を支給する会社もあります。)


では、会社が従業員に休業手当を支給しないとどうなるか?


多くの場合、「休業しているが、無給」「有給を消化させられている」「仕事(出勤日数)が減り、給与が激減する」という状況になってしまいます。

つまり、現状では雇用調整助成金の制度自体が機能していないことになります。



このままではマズいということで、失業手当を受給するときと同様に、休業した労働者が直接ハローワークに申請し、給付を受けることができるように、今回「休業支援金」制度が創設されることになりました。(※申請先&給付元は、ハローワークになりました。)


雇用調整給付金②

①休業手当が支給されない従業員が直接、ハローワークに「休業支援金」を申請する。

②ハローワークから従業員(申請者)へ「休業支援金」が直接支給される。


Point!
東日本大震災のときにあった「みなし失業手当」でカバーするという議論もありましたが、「みなし失業手当」を適用すると、本当に失業した時に受給期間等に影響が出たり、雇用保険に未加入のパート・アルバイトの人が対象外になってしまうため、結果的に今回の「休業支援金」が創設されることになりました。

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休業支援金の対象者

会社から休業手当が支給されない「中小企業の労働者」や、解雇される可能性が高い「週20時間未満の雇用保険に加入していないパート・アルバイト」が給付対象になりました。

休業支援金の支給額

月額33万円(日額11,000円)を上限に、休業前の賃金の8割が給付されることになりました。

(週20時間未満で雇用保険に加入していない方の場合は、直近6ヶ月で一番高い賃金の8割が上限となります。)


対象期間は、2020年4月~9月末までとなります。

雇用調整給付金(仮)申請の流れ

失業手当を申請するときのように、ハローワークへ申請します。


(申請方法については、まだ発表されていませんが、恐らく次のような流れになると思います。)

①会社に「休業証明書」を発行してもらう。


②本人が「オンライン」または「郵送」で申請する。(窓口はハローワークです。)


③審査後に支給(不支給)決定。


④国(ハローワーク)から直接本人へ支給される。



※「休業支援金」の申請方法については、5月末~6月上旬に発表される見通しになっていますので、新しい情が入り次第、随時更新していきます。

最後に

国が直接給付する制度にすると、休業手当の支払いを放棄する会社が増える?という問題点もありますが、中小企業の経営者の場合、雇用調整助成金の申請に時間が掛かり、本業がおろそかになってしまう可能性があるので、個人的には、選択肢が増えることは良いことだと思います。

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