年末調整で各種控除を受けるときには、申告書のほかに証明書の添付が必要なケースがありますが、今年(令和2年)の年末調整から電子化に向けた取り組みが実施されるため、「今まで通り、添付が必要なもの」と「添付が不要になったもの」があります。

そこで今回は、年末調整のときに会社へ提出する証明書類(令和2年版)について、本日税務署に行って確認してきましたので、よろしければ参考にしてみてください。

年末調整で添付書類が必要なケースを確認

年末調整 添付書類

申告書で「非居住者である親族」に〇をつけた場合

「扶養控除等申告書」や「配偶者控除等申告書」で「非居住者である親族」に〇をつけた場合は、親族関係書類送金関係書類を添付することになっています。


令和2年から年末調整の電子化に向けた取り組みが実施されますが、「親族関係書類」や「送金関係書類」は、電子データで取得・提出することができませんので、今まで通り書面で提出(提示)する必要があります。



具体的な添付書類については、こちらの記事を確認することができますので、よろしければ参考にしてみてください。

年末調整:親族関係書類と送金関係書類って具体的に何を添付すればいい?


年の途中で転職をした場合

年の途中で転職をした方は、前職で発行された源泉徴収票(令和2年分)を現在の勤務先に提出してください。


勤労学生控除を受ける場合

今年(令和2年)の年末調整で勤労学生を申告する場合は、学生証のコピーまたは、在学証明書を添付する必要があります。

令和2年から年末調整の電子化に向けた取り組みが実施されますが、「学生証のコピー」や「在学証明書」は、電子データで提出することができませんので、今まで通り書面で提出(提示)するようにしてください。


また、勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合は、今まで通り「令和3年分・給与所得者の扶養控除等申告書」の「勤労学生」欄に必要事項を記入して提出する必要があります。



「令和3年分・給与所得者の扶養控除等申告書」の「勤労学生」欄の記入方法については、こちらの記事で詳しく解説していますので、調べている方がいたら参考にしてみてください。

<勤労学生の申告方法>令和3年分・扶養控除等申告書の書き方と記入例


Point!

令和2年10月以降に国税庁からリリースされる年末調整ソフト(無償)を利用すると、簡単に「令和3年分・給与所得者の扶養控除等申告書」を作成することができるということなので、勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合は、年末調整ソフトを利用して作成した申告書をプリントアウトして提出するのが良さそうですね。(詳細については、年末調整ソフトがリリースされてから改めて更新します。)


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生命保険料控除・地震保険料控除を受ける場合

令和2年分の年末調整から電子化に向けた取り組みが実施され、勤務先が年末調整の電子化に対応している場合電子化に対応していない場合で手続きが異なります。

勤務先が電子化に対応している場合

これまで保険会社や金融機関などからハガキ等の書面で送られてきた「生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料・地震保険料控除証明書」は、電子データで取得できるようになりました。

これを受け、今まで手書きで記入していた「保険料控除申告書」は、年末調整ソフト(※)で作成ができ、データのまま勤務先に提出できるようになります。


具体的な手順は、次の①~③です。

①保険会社等のHPから控除証明書等を電子データで取得(ダウンロード)する
(保険会社が電子データを発行していない場合は、ハガキ等の書面を用意してください。)


②年末調整ソフト(※)に、住所・氏名等を入力し、保険会社等のHPからダウンロードした電子データをインポート(ハガキ等の書面の場合は手入力)して電子データを作成する


③作成した電子データを(データのまま)勤務先に提出する


※利用する年末調整ソフトの種類については、会社の指示に従って、決められたソフトで作成するようにしてください。国税庁の年末調整ソフト(無償)は、2020年10月以降にリリースされる予定です。



また、マイナンバーカードを持っている方で、会社がマイナポータルと連携ができる年末調整ソフトを利用している場合は、複数の控除証明書のデータを一括で取得して連携させることができます。


(マイナポータルと連携していない保険会社もありますので、契約している保険会社HPも確認するようにしてください。)

勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合

今まで通り「書面」で申告する必要がありますので、「令和2年分・給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を記入(※)して、生命保険料控除証明書地震保険料控除証明書等を添付して提出してください。



※令和2年10月以降に国税庁からリリースされる年末調整ソフト(無償)を利用すると、簡単に保険料控除申告書を作成することができるということなので、年末調整ソフトを利用して作成した「令和2年分・給与所得者の保険料控除申告書」をプリントアウトして勤務先に提出するのが良さそうですね。(詳細については、10月以降にソフトがリリースされてから更新します。)



(生命保険料控除証明書の見本)
生命保険料控除証明書


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社会保険料控除を受ける場合

  • 国民年金保険料・国民年金基金(掛金)の控除を受ける場合

令和2年から年末調整の電子化に向けた取り組みが実施されますが、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」は、電子データで取得することができないため、今まで通り書面(ハガキ等)の「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」を提出(提示)してください。


(社会保険料「国民年金保険料」控除証明書の見本)

社会保険料(国民年金保険料)控除証明書

令和2年の「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」の発送は、今のところ11月初旬に予定されています。


まだ届いていない!失くしてしまった!という方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
社会保険料(国民年金保険料)控除証明書が届かないときの対処法!


また、勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合は、今まで通り「令和2年分・給与所得者の保険料控除申告書」の「社会保険料控除」欄に必要事項を記入するか、国税庁の年末調整ソフト(無料)を利用して作成した「令和2年分・給与所得者の保険料控除申告書」を勤務先に提出する必要があります。

(※国税庁の年末調整ソフトは、10月以降にリリースされる予定です。)


  • 国民健康保険料(税)の控除を受ける場合

国民健康保険の場合は「保険料控除証明書」が発行されないため、基本的には添付書類は不要となっていますが、会社によっては国民健康保険の納付証明書や納付書の控えを添付する場合がありますので、会社の指示に従ってください。


私の勤務している会社では、税務署から「税務調査の際に確認することもある」ということで、国民健康保険の納付証明書や納付書の控えを添付してもらうよにしています。

今年(令和2年)の年末調整で国民健康保険料(税)の控除を受ける場合は、「令和2年・給与所得者の保険料控除申告書」の「社会保険料控除」欄に記入して申告します。記入方法については、こちらの記事で解説していますので、よろしければ参考にしてみてください

<年末調整>親の国民健康保険料は社会保険料控除欄に記載していいの?


小規模企業共済等掛金控除を受ける場合

  • 小規模企業共済(退職金積立制度)
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)

「小規模企業共済」や「個人型確定拠出年金(iDeCo)」の掛金控除を受ける場合は、小規模企業共済掛金払込証明書(控除証明書)を添付する必要があります。


「小規模企業共済掛金払込証明書(控除証明書)」についても、電子データで取得することができないため、今まで通り書面(ハガキ等)の「小規模企業共済掛金払込証明書(控除証明書)」を提出(提示)してください。


(小規模企業共済掛金払込証明書の見本)
小規模企業共済掛金払込証明書出典:中小機構

また、勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合は、今まで通り「令和2年分・給与所得者の保険料控除申告書」の「小規模企業共済等掛金控除」欄に払込金額を記入するか、国税庁の年末調整ソフト(無料)を利用して作成した「令和2年分・給与所得者の保険料控除申告書」を勤務先に提出する必要があります。

(※国税庁の年末調整ソフトは、10月以降にリリースされる予定です。)


住宅ローン控除を受ける場合

これまで、年末調整で住宅ローン控除を受ける場合(2年目から)は、「住宅ローン控除証明書」と「借入金の年末残高等証明書」を添付する必要がありましたが、令和2年の年末調整では、居住年が平成31年(令和元年)以後の場合のみ電子データで取得・提出することができますので、勤務先が年末調整の電子化に対応している場合は、データのまま勤務先に提出できるようになります。


つまり、居住年が平成30年以前の場合は、「住宅ローン控除証明書」と「借入金の年末残高等証明書」は電子データで取得・提出することができませんので、今まで通り書面(ハガキ等)で提出する必要があります。


(借入金の年末残高等証明書の見本)
借入金の年末残高等証明書 見本
出典:住宅金融支援機構


「住宅ローン控除証明書(電子データ版)」の入手方法

「住宅ローン控除証明書(電子データ版)」は、「e-Taxのメッセージボックス」または「マイナポータル連携」から取得することができるようになります。(※居住年が平成31年(令和元年)以後の場合)


勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合は、今まで通り、住宅ローン控除申告書に必要事項を記入(または国税庁の年末調整ソフトに手入力→プリントアウト)してから、「住宅ローン控除証明書」と「借入金の年末残高等証明書」を添付して勤務先に提出してください。

控除証明書を添付できない場合は?

会社は、翌年1月31日までに「保険料控除証明書」を提出することを条件に、その申告書に記載された保険料で控除額を計算して良いことになっています。


ただし、翌年1月31日までに証明書を提出しなかった場合は、年末調整の再計算をして、不足税額は2月1日以降に支給される給与から引かれることになりますので、紛失してしまった場合は、早めに再発行の手続きを取るようにしてください。

【令和2年版・年末調整コーナー】

今年(令和2年)から年末調整の電子化に向けた取り組みが実施されますが、勤務先が年末調整の電子化に対応していない場合は、今まで通り申告書を手書きで記入するか、2020年10月以降に国税庁からリリースされる「年末調整ソフト」に必要事項を手入力した上で、プリントアウトしてから提出する必要があります。

こちらでは、今年(2020年)の年末調整で提出する申告書類の記入方法をまとめていますので、調べている方がいたら、ぜひ参考にしてみてください。

<令和3年分>給与所得者の扶養控除等申告書の書き方
<年末調整2020>令和3年分・扶養控除等申告書の書き方と記入例

<令和2年分>給与所得者の基礎控除申告書(兼)配偶者控除等申告書(兼)所得金額調整控除申告書の書き方
年末調整(令和2年)基礎控除・配偶者控除等・所得金額調整控除申告書の記入例

<令和2年分>給与所得者の保険料控除申告書の書き方
<2020年末調整>令和2年分・保険料控除申告書の書き方を解説!

最後に

今年(令和2年)の年末調整の際に、電子データで取得・提出できる証明書は、「保険料控除証明書(生命保険料(新・旧)、個人年金保険料(新・旧)、介護保険料、地震保険料)」「住宅借入金等特別控除証明書(居住年が平成31年以後のみ)」「年末残高等証明書(居住年が平成31年以後のみ)」です。

その他の書類については、今まで通り書面(ハガキ等)で提出(提示)する必要がありますので、注意してください。

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