「求職活動関係役務利用費」は、失業手当の受給期間中に教育訓練や面接などを受けるため、お子さんを保育園等に預けた場合、その保育料の一部を支給するという制度です。
保育料の一部といっても、支払った保育料の80%が支給されますので、条件に該当する人は積極的に利用したい制度ですね。
そこで今回は、「求職活動関係役務利用費」は具体的にいくらもらえるのか?ハローワークで確認した内容をもとに計算方法を解説していますので、よろしければ参考にしてみてください。
求職活動関係役務利用費の支給額の調べ方
求職活動関係役務利用費は、申請者本人が負担した保育等サービス利用費の80%(一日あたり支給上限6,400円)が支給される制度なので、支給額は次の計算式で求めることができます。
計算式:保育等サービス利用費 × 80% = 求職活動関係役務利用費
「保育等サービス利用費」の求め方
保育等サービス利用費は、「保育料を1日単位で支払った場合」と「保育料を月単位で支払った場合」で求め方が異なりますので、順番に解説していきます。
保育料を1日単位で支払った場合
「保育等サービス利用費」は、そのままの金額を1日単位で計算していきます。
例えば、面接のため、お子さんを5時間(1日)保育園に預けて5,000円を支払った場合、「保育等サービス利用費」は5,000円となります。
ただし、1日あたりの保育等サービス利用費は、8,000円までと上限が設定されています。
つまり、1日あたり10,000円の保育料を支払った場合は上限額8,000円を超えているため、計算式に当てはめる「保育等サービス利用費」は8,000円となります。
あとは、先ほどの「計算式:保育等サービス利用費 × 80%」に当てはめて計算すれば、求職活動関係役務利用費の支給額を求めることができます。(1日あたりの支給上限額は6,400円です。)
保育料を月単位で支払った場合
まず、下記の計算式で「1日あたりの保育料」を計算します。
月額費用 ÷ その月の暦日数 = 1日あたりの保育料
(※このときの金額が8,000円を超えた場合は、1日あたりの保育料を8,000円にして計算していきます。)
続いて、下記の計算式を使い「保育等サービス利用費」を求めます。
1日当たりの保育料 × 面接等や教育訓練を受けた日数 = 保育等サービス利用費
例えば、6月(暦日数30日)に就職試験や面接を4日受け、月額36,000円の保育料を支払った場合。
1日当たりの保育料:36,000円 ÷ 30日 = 1,200円(←8,000円を超えていないので、そのまま計算する。)
保育等サービス利用費:1,200円 × 4日 = 4,800円
あとは、先ほどの「計算式:保育等サービス利用費 × 80%」に当てはめて計算すれば、求職活動関係役務利用費の支給額を求めることができます。
それでは、計算例を見ながら求職活動関係役務利用費の支給額を確認していきましょう。
求職活動関係役務利用費の計算例
<計算例その①>
面接のため、子どもを5時間(1日)保育園に預け、4,000円を支払った場合。
「保育等サービス利用費」は4,000円ですね。
つまり、4,000円 × 80% = 3,200円が、求職活動関係役務利用費として支給されることになります。
<計算例その②>
6/14の面接のため、準備期間を含め、子どもを3日間保育園に預け、6/12に3,500円、6/13に4,000円、6/14に10,000円を支払った場合。
支給対象になる日は面接をした6/14の1日のみなので10,000円で申請をしますが、「保育等サービス利用費」の上限8,000円をオーバーしているため、「保育等サービス利用費」は8,000円となります。
つまり、8,000円 × 80% = 6,400円が、求職活動関係役務利用費として支給されることになります。
<計算例その③>
6月に就職試験や面接を4日受け、月額66,000円の保育料を支払った場合。
まず、1日あたりの保育料を「月額費用 ÷ その月の暦日数」で確認します。
66,000円 ÷ 30日 =2,200円
今回は、上限8,000円を超えていないので、そのまま「1日あたりの保育料 × 面接等や教育訓練を受けた日数」の計算式に当てはめて、「保育等サービス利用費」を求めます。
2,200円 × 4日 = 8,800円
保育等サービス利用費は8,800円になりましたので(8,800円 × 80%)7,040円が、求職活動関係役務利用費の支給額となります。
今回計算したのは、求職活動関係役務利用費の支給額です。
「求職活動支援費(求職活動関係役務利用費)支給申請書」に記入する申請額は、自己負担した保育等サービス利用費の全額を記入するようにしてくださいね。
こちらの記事では、「求職活動支援費(求職活動関係役務利用費)支給申請書」の書き方について、ハローワークで確認した内容をまとめていますので、よろしければあわせて参考にしてみてください。
▶<就職活動中の保育費>求職活動関係役務利用費支給申請書の書き方と記入例
最後に
求職活動関係役務利用費には、保育等サービス利用費の上限8,000円(支給額上限6,400円)のほかに、支給日数にも上限『面接等で保育サービスを利用した場合に申請できる日数の上限は15日で、訓練等で保育サービスを利用した場合に申請できる日数の上限は60日』が設定されています。
どちらの場合も上限の日数に達するまで支給を受けることができるようになっていますので、条件に該当する人はぜひ申請してみてください!