今回は、働きながら年金(在職老齢年金)をもらう場合、年金はいくら減額されるのか?減額後の年金額の調べ方を解説していきます。

「定年後は働きながら年金を受給する」という方も多いと思いますので、調べている方がいたら参考にしてみてください。

在職老齢年金とは

在職老齢年金 調べ方

60歳以上の方で老齢厚生年金を受け取る権利がある人が、勤務先で社会保険に加入すると、会社からもらう給料・ボーナスに応じて年金が減額される仕組みになっています。


これを「在職老齢年金制度」といい、定年後も(社会保険に加入して)働きながら年金を受給する場合は、減額された年金「在職老齢年金」が支給される場合があります。

社会保険に加入しなければok?


確かに、社会保険に加入しなければ、年金が減額されることはありませんが、社会保険の加入要件を満たしているのに加入しないで働くというのはNGです!
<定年後の再就職>社会保険に未加入で年金満額受給がバレたらどうなる?

年金が減額されない働き方については、こちらで解説していますので、よろしければ参考にしてみてください。

年金受給者のパート・アルバイトはok?年金が減額されない働き方を確認

では、在職老齢年金の調べ方について、解説していきます。

減額後の年金額の調べ方

在職老齢年金制度によって減額された後の年金受給額(月額)を調べるには、まず「基本月額」「総報酬月額相当額」を確認する必要があります。


「基本月額」とは、年金(年額)を月額に直したものですが、加給年金は除きますので、以下の計算式で求めます。


基本月額=加給年金を除いた年金(年額)÷12


(※共済組合にも加入していた方は、各制度の年金を合算して計算します。)


続いて、「総報酬月額相当額」についてですが、こちらは「給料」になります。ただし、この給料にはその月以前1年間のボーナスを12等分した額も加えて計算しますので、計算式は次のようになります。


総報酬月額相当額=給料+その月以前1年間のボーナスを12等分した額


(※正確にいうと、給料は「その月の標準報酬月額」で計算を行いますが、ここでは省略しています。)


在職老齢年金は、年齢が「60歳~64歳まで」「65歳以上」で計算方法が異なりますので、それぞれ別々に解説していきます。

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60歳~64歳までの在職老齢年金の調べ方

在職老齢年金の計算は、ちょっと複雑なので、まずは早見表を使った調べ方から解説していきます。

早見表を使って調べる方法

下記の早見表を使うと、おおよその年金受給額(月額)を確認することができます。

<早見表>(※クリックすると拡大します。)

在職老齢年金 早見表

<早見表の見方>

この表は、おおよその年金受け取り額(月額)を表したものです。


例えば、基本月額(一ヶ月の年金額)が140,000円で、総報酬月額相当額(給料+12等分したボーナス)が240,000円だった場合は、表のとおり「約90,000円」の年金を受け取ることになります。(約5万円の年金が減額されることになります。)

※色が付いている部分は、働いても年金が減額されない部分です。


このように、稼げば稼ぐほど、受け取れる年金が少なくなる仕組みになっています。

続いて、計算式を使って減額後の年金受給額(月額)を調べる方法を解説していきます。

計算式を使って調べる方法

先ほどの「基本月額」と「総報酬月額相当額」を次の①~⑤に当てはめ、該当する計算式を使うことで、減額後の年金受給額(月額)を求めることができます。


①基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下のとき

年金は全額支給されます。(支給停止額は0円です。)

②基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円以下のとき

年金受給額(月額)=基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)÷2

③基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円を超えるとき

年金受給額(月額)=基本月額-{(47万円+基本月額-28万円)÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}


④基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円以下のとき

年金受給額(月額)=基本月額-総報酬月額相当額÷2

⑤基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円を超えるとき

年金受給額(月額)=基本月額-{47万円÷2+(総報酬月額相当額-47万円)}


例えば、老齢厚生年金額が180万円で総報酬月額相当額が30万円の場合、「基本月額」は180万円÷12=15万円となります。


基本月額15万円、総報酬月額相当額が30万円なので、『②基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円以下』の計算式『年金受給額(月額)=基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-28万円)÷2』を使い、減額後の年金受け取り額を求めます。


15万円-(30万円+15万円-28万円)÷2


年金支給額は65,000円となります。(支給停止額は85,000円です。)


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65歳以上の在職老齢年金の計算方法

65歳からの在職老齢年金の計算方法は、60歳~64歳までの計算方法とは大きく異なっています。

こちらも、まずは早見表を使った調べ方から解説していきます。

早見表を使って調べる方法

下記の早見表を使うと、おおよその年金受給額(月額)を確認することができます。

<早見表>(※クリックすると拡大します。)
65歳以上 在職老齢年金 早見表

<早見表の見方>

この表は、おおよその年金受取額(月額)を表しています。

例えば、基本月額(一ヶ月の年金額)が110,000円で、総報酬月額相当額(給料+12等分したボーナス)が400,000円だった場合は、「約90,000円」の年金を受け取ることになります。(約2万円の年金が減額される)

※色が付いている部分は、働いても年金が減額されない部分です。

続いて、計算式を使って減額後の年金受給額(月額)を調べる方法を解説していきます。

計算式を使って調べる方法

65歳以上の方で減額後の年金の受給額(月額)を計算する場合は、次の計算式を使って求めます。


①基本月額と総報酬月額相当額(※)の合計額が47万円以下のとき

年金は全額支給されます。(支給停止額は0円です。)

※70歳以上の方は、厚生年金に加入しないため、標準報酬月額に相当する額、標準賞与額に相当する額となります。


②基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超えるとき

年金受給額(月額)=基本月額 -(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)÷2


65歳からの在職老齢年金は、60歳~64歳までの方と比べて減額されない範囲が広く設定されているのが特徴です。また、70歳以降は、原則として厚生年金には加入しませんが、70歳以降も同じ計算式で減額されることになっています。

「高年齢雇用継続給付金」を受給する場合も年金が減額される仕組みになっています。
高年齢雇用継続給付を受けると年金はいくら減る?調べ方と計算方法を解説

最後に

在職老齢年金を計算するときには、直近1年間のボーナスを入れて計算するため、定年退職後に再雇用され給料が大幅に下がった場合でも、直近1年間のボーナスが高い場合は、その高いボーナスで計算されるため、年金が大幅に減額されるというケースがあります。

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