定年後、再就職するときに「社会保険に加入すると年金が減額されるから、社会保険に加入せず働きたい!」と考えている方もいると思いますが、社会保険の加入要件を満たしているのに社会保険に加入せず、年金を満額受給するという考えはNGです!
そこで今回は、「社会保険に未加入で年金を満額受給するとどうなるのか?」日本年金機構で確認してきましたので、よろしければ参考にしてみてください。
年金が減額されない働き方を確認!
まず、始めに「社会保険に加入しない働き方」をする場合は、今回のケースには該当しないため、給与と年金を満額受給することができます。
「社会保険に加入しない働き方」については、こちらで解説していますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶年金受給者のパート・アルバイトはok?年金が減額されない働き方を確認
また、60歳~64歳までの老齢厚生年金を受け取る権利がある人が、勤務先で社会保険に加入すると、会社からもらう給料・ボーナスに応じて年金が減額される仕組みになっていますが、年金と報酬(給料+12等分したボーナス)の合計が47万円以下であれば、年金は減額されません。(65歳以上の方も、年金と報酬(給料+12等分したボーナス)の合計が47万円以下であれば、年金は減額されません。)
令和4年4月から在職老齢年金制度の一部が改正されています!
令和4年4月からは、65歳未満の方も65歳以上の方と同じように、年金と報酬の合計が「47万円」を超えない場合は年金額の支給停止は行われず、「47万円」を上回る場合に年金額の全部または一部が支給停止されることになりました。
では、それ以外の方が社会保険に加入せず、年金を受給するとどうなるのか?確認していきましょう。
社会保険に加入しないで年金を受給するとどうなる?
(※クリックすると拡大します。)
社会保険は加入要件を満たせば、本人や会社の意思に関係なく加入しなければなりません。
社会保険の加入要件を満たしているのに社会保険に加入せず、年金を満額受給すると、(あとで調査などによってバレた場合は)最大2年間さかのぼって社会保険料を徴収されるだけでなく、本来減額されるはずだった年金もさかのぼって返金することになります。(※社会保険料の時効は2年です。)
「社会保険料(最大2年間分)」 +「本来減額されるはずだった年金」を一括で支払う(返金する)
例えば、給与が25万円とすると、厚生年金保険料は約23,000円で、その他健康保険+介護保険料が約15,000円なので、社会保険料の合計は月々約38,000円です。
これを最大2年間分請求されると約91万円となります。。。
さらに、本来減額されるはずだった年金もさかのぼって返金することになります。
仮に在職老齢年金の支給停止額が月3万円だったとしても、2年間で計算すると70万円以上です。
社会保険料と年金を合計すると160万円以上となります。
これを一括で請求されるのですから、考えるだけでも恐ろしいですね。。。
最後に
「調査なんてそんな頻繁にないでしょ!」「バレなきゃ大丈夫でしょ!?」と考えている方もいると思いますが、会計検査院の調査報告結果をみると、平成25年度~27年度で31人が合計1,803万円を返金しています。(1人当たりの平均は約58万円です。)
このように実際に調査が行われ、返金している例もありますので、注意してくださいね!