国民健康保険料(税)には、所得が少ない世帯、会社の倒産や解雇によって失業した人を対象に保険料(税)の負担を減らしてくれる「軽減制度」が設けられています。
そこで今回は「所得が少ない世帯」の国保軽減(令和5年版)について、対象になる収入の条件や減額される割合の調べ方についてまとめてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。
国保の保険料が軽減される条件を確認
国保の軽減を受けることができる「所得が少ない世帯」とは、世帯主(国保に加入していない世帯主を含む)と国保加入者の前年の総所得金額(退職所得を除く)が一定の基準以下の場合、国民健康保険料(「均等割」や「平等割」)が7割・5割・2割軽減されることになっています。
令和5年度も小学校入学前のお子さん(平成29年4月2日以降生まれ)の均等割が5割減額となります。これに伴い、世帯で7割の減額を受けている世帯では8.5割、5割の世帯では7.5割、2割の世帯では6割減額となります。
国民健康保険料の「均等割」や「平等割」って何?という方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶国民健康保険料の計算方法、収入のない妻や子供の保険料も確認!
軽減判定をするときの総所得金額は、国保に加入している人の分だけではなく、世帯主が職場で社会保険に加入している場合でも世帯主の所得をカウントして行う点がポイントです。
また、「総所得金額」にカウントする所得とは、主に下記のようなものです。
これらすべてを世帯主と国保加入者で合算したものが「総所得金額」となります。
例えば、夫婦2家族で、国保に加入していない(会社の健康保険に加入している)世帯主(給与所得のみ)と、フリーランスなどで国保に加入している妻(事業所得のみ)の場合、夫の給与所得+妻の事業(営業)所得=総所得金額となります。
この総所得金額が次の表の軽減判定基準額以下であれば、その割合が軽減となります。
<令和5年度 軽減割合と軽減判定基準額>
7割軽減 | 43万円+10万円×(年金・給与所得者の数-1)以下の世帯 |
---|---|
5割軽減 | 43万円+(28.5万円×加入者数)+10万円×(年金・給与所得者の数-1)以下の世帯 |
2割軽減 | 43万円+(52万円×加入者数)+10万円×(年金・給与所得者の数-1)以下の世帯 |
(※年金・給与所得者とは、給与収入55万円超と公的年金等収入60万円超(65歳以上110万円超)の人です。また、加入者数とは、同じ世帯の中で国保から後期高齢者医療制度(75歳以上)に移行した人(特定同一世帯所属者)も含めます。)
計算するのは面倒だと思いますので、早見表を用意しました。
国保に加入している人数と令和3年中の総所得金額を当てはめて軽減割合を確認することができます。
<令和5年度 軽減判定所得の早見表>
人数 | 7割軽減 | 5割軽減 | 2割軽減 |
---|---|---|---|
1人 | 43万円以下 | 71万5千円以下 | 95万円以下 |
2人 | 43万円以下 | 100万円以下 | 147万円以下 |
3人 | 43万円以下 | 128万5千円以下 | 199万円以下 | 4人 | 43万円以下 | 157万円以下 | 251万円以下 |
早見表を使った軽減の確認方法は、次の項目で解説していますので、参考にしてみてください。
国保軽減割合の確認方法
ここでは、先ほどの早見表を使って軽減の割合を確認する方法を解説していきます。
例えば、Aさん家族(夫・妻・子)は3人とも国保に加入していて、それぞれの収入は以下のとおりです。
まず、Aさん家族の総所得金額を計算します。
150万円+35万円+0円=185万円
Aさん家族の総所得金額は185万円となりました。
ここで先ほどの早見表↓に、「人数3人」と「総所得金額185万円」を当てはめていきます。
人数は「3人」→「199万円以下」に該当する→「2割軽減」となります。
Aさん家族の場合、国民健康保険料(「均等割」「平等割」)は「2割軽減」となります。
「2割軽減」で実際の保険料はいくらになるのか?こちらで計算方法を解説していますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶国保の軽減:失業したときの保険料はいくら?計算方法と申請方法を確認
軽減判定の手続きは必要?
国保の軽減判定は住民税の申告内容で自動的に行われますので、特に手続きはありません。
ただし、国保の軽減判定は国保加入者全員の所得を確認しますので、税の扶養控除の対象になっていない16歳以上の方は、所得がない場合でも住民税の申告を忘れないようにしてください。
▶住民税:無職で収入がない人の申告方法と申告書の書き方を記入例で確認
軽減判定はいつ行われるの?
国保の軽減判定は4月1日を基準に行われますが、引っ越しや退職などで新規で加入する場合は資格取得日が軽減判定基準日となります。
最後に
収入が少ない世帯の保険料の軽減は住民税の申告をしていれば自動的に行われるので特に手続は必要ありませんが、会社の倒産やリストラが理由で失業したときに利用できる保険料の軽減制度は自ら申請をする必要があります。
倒産やリストラで失業した方の保険料については、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶国保の軽減:失業したときの保険料はいくら?計算方法と申請方法を確認
また、「軽減を受けても保険料が払えない!」という場合は、まず窓口で納付相談を受けるようにしてください。納付相談をせず保険料を滞納すると、いくつかのペナルティを受け、最後には預貯金などの差押えを受ける恐れもあります。
こちらの記事では、国保の滞納についてまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶国保が払えない!保険料を滞納したときの差押処分と延滞金の計算方法
こちらの記事では、「収入が少ない人」を対象にした年金免除についてまとめています。
▶無職・パート・アルバイト収入が少ない人の年金免除申請方法や条件を確認