給与所得者の配偶者控除等申告書は、年末調整で「配偶者控除」または「配偶者特別控除」を受けるときに会社へ提出する書類です。

この「配偶者控除等申告書」は、昨年(平成30年分)から登場した書類で、昨年の年末調整では書き方に戸惑った人も多いと思います。実際に私の職場でも、記入方法についての質問が非常に多かったです。

そこで今回は、<令和元年分>給与所得者の配偶者控除等申告書の書き方を記入例付で解説していますので、記入方法を調べている方がいたら、ぜひ参考にしてみてください。

令和元年分「給与所得者の配偶者控除等申告書」の書き方

まずはじめに、下記に該当する方は、この「配偶者控除等申告書」の記入は不要です。

  • 独身で配偶者(妻・夫)がいない方



ただし、上記に該当しない場合でも、あなたの氏名等を記入して提出する場合がありますので、勤務先の指示に従うようにしてください。


では、令和元年分「給与所得者の配偶者控除等申告書」の書き方について、解説していきます。

あなたの情報

まず、下の赤枠の欄の記載方法について、解説していきます。
令和元年 配偶者控除等申告書 書き方

「所轄税務署長」「給与の支払者の情報」

平成30年分 配偶者控除等申告書 書き方 記入例

こちらの欄は会社が記入しますので、記入不要です。

「あなたの情報」
年末調整 配偶者控除等申告書 書き方

  • 氏名(フリガナ)
  • 記入例を参考に氏名とフリガナを記入し、押印をしてください。

  • あなたの住所又は居所
  • 私の職場でも「住民票の住所と違うところに住んでいるんだけど、どちらの住所を記入すればいいか?」という質問を受けることがありますが、この住所とは住民票の住所ではなく、実際に住んでいるところの住所を記入することになっています。


あなたの本年中の合計所得金額の見積額

次に、「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」の記載方法を解説していきます。

令和元年 配偶者控除等申告書 本年中の所得見積額 書き方

平成30年分から配偶者控除や配偶者特別控除の判定には、あなたの所得金額(見積額)も関係してきますので、まず、「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」を記入していきます。


こちらは、下の「合計所得金額の見積額の計算表」で、「あなたの合計所得金額(平成31年1月1日~令和元年12月31日までの所得額)」を計算し、その合計額を転記します。


配偶者控除等申告書は、今年最後の給与をもらう前日までに提出するため、所得額は直近の給与明細などを参考に見込み額を記入するようにしてくださいね。

配偶者控除等申告書 書き方①

また、この「あなたの合計所得金額」とは、給与等の収入額を記載するのではなく、収入から必要経費(給与所得控除)を引いた額を記入します。


給与所得者の場合は、給与の収入金額に応じて一定の控除額を差し引くことができます。こちら(下の表)では、給与収入ごとに給与所得控除後の金額(所得の見積額)を確認することができます。

給与収入金額 給与所得控除後の金額(所得の見積額)
~650,999円 0円
651,000円~1,618,999円 給与収入-650,000円
1,619,000円~1,619,999円 969,000円
1,620,000円~1,621,999円 970,000円
1,622,000円~1,623,999円 972,000円
1,624,000円~1,627,999円 974,000円
1,628,000円~1,799,999円 給与収入÷4=A Aの金額(1,000円未満切り捨て)×2.4
1,800,000円~3,599,999円 給与収入÷4=A Aの金額(1,000円未満切り捨て)×2.8-18万円
3,600,000円~6,599,999円 給与収入÷4=A Aの金額(1,000円未満切り捨て)×3.2-54万円
6,600,000円~9,999,999円 給与収入×0.9-120万円



例えば、所得が給与所得のみで、給与収入が5,720,000円だった場合の所得金額は、上記の「給与収入金額」に当てはめて次の計算式を使い求めます。

<計算式>

令和元年分 所得の見積額 調べ方

給与収入÷4=A

Aの金額(1,000円未満切り捨て)×3.2-54万円


5,720,000円÷4=1,430,000円

1,430,000円×3.2-540,000円=4,036,000円


この場合、「あなたの合計所得金額(見積額)」は4,036,000円となりますので、次のように記入します。

あなたの合計所得金額 記入方法


この金額を「あなたの本年中の合計所得金額の見積額」へ転記し、その横の「判定」にある(A)・(B)・(C)のいずれか該当するものに✔を入れます。

あなたの所得金額 判定方法

そして、「区分I」には、「判定」で✔を付けた(A)・(B)・(C)のいずれかを記入してください。



※合計所得金額1,000万円超(給与収入1,220万円超)の方は、配偶者控除、配偶者特別控除の適用を受けることができません。

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配偶者

続いて、「配偶者」欄の記載方法について解説していきます。
令和元年 配偶者控除等申告書 配偶者 書き方

まず、配偶者の情報を記入します。

配偶者控除等申告書 配偶者欄 書き方 

  • 氏名
  • 配偶者の氏名(フリガナ)を記入します。

  • 個人番号
  • 配偶者のマイナンバーを記入する欄ですが、会社によっては、記入しないで提出する場合がありますので、勤務先で確認するようにしてください。

  • 生年月日
  • 配偶者の生年月日を記入してください。


  • あなたと配偶者の住所又は居所
  • あなたと配偶者の住所が異なる場合は、配偶者の住所を記入します。

    あなたと配偶者の住所が同じ場合は、記入不要(空欄でok)です。


  • 老人控除対象配偶者
  • 70歳以上の方(昭和25年1月1日以前生まれの方)は、「老人控除対象配偶者」に該当しますので、〇をつけてください。


  • 非住居である配偶者
  • 配偶者が海外に住んでいる場合は、〇をつけてください。

    ※親族関係書類を添付する必要があります。
    年末調整:親族関係書類と送金関係書類って具体的に何を添付すればいい?

  • 生計を一にする事実
  • 海外に住んでいる配偶者へ、送金した金額(生活費や学費、医療費など)を記入してください。

    ※送金した事実を証明する書類を添付する必要があります。
    年末調整:親族関係書類と送金関係書類って具体的に何を添付すればいい?


続いて、「配偶者の本年中の合計所得額の見積額」を記入します。


こちらも下の図のように、「配偶者の合計所得金額(見積額)」を計算して転記します。
配偶者控除等申告書 書き方③



配偶者の収入がパートやアルバイト収入の場合は「給与所得」になりますので、先程と同様に、下の表で給与収入金額から「給与所得控除」を差し引いた金額(所得の見積額)を確認することができます。

給与収入金額 給与所得控除後の金額(所得の見積額)
~650,999円 0円
651,000円~1,618,999円 給与収入-650,000円
1,619,000円~1,619,999円 969,000円
1,620,000円~1,621,999円 970,000円
1,622,000円~1,623,999円 972,000円
1,624,000円~1,627,999円 974,000円
1,628,000円~1,799,999円 給与収入÷4=A Aの金額(1,000円未満切り捨て)×2.4
1,800,000円~3,599,999円 給与収入÷4=A Aの金額(1,000円未満切り捨て)×2.8-18万円



例えば、パート・アルバイト収入が100万円(見込み額)になる場合は、上記の「給与収入金額」に当てはめて次の計算式を使って求めます。

<計算式>

所得の見積額 計算方法

給与収入-650,000円



1,000,000円-650,000円=350,000円


給与所得額は350,000円となりますので、次のように記入します。

配偶者の所得見積額

その他、雑所得や不動産所得などがある方は、収入から必要経費を引いた金額が所得金額となります。

年金と給与、両方の収入がある場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。

【令和元年版】給与と年金、両方もらっている場合の所得の見積額の調べ方



この金額(所得合計額)を、下の図のように「配偶者の本年中の合計所得額の見積額」へ転記します。

配偶者控除等申告書 配偶者欄書き方

続いて、転記した「配偶者の本年中の合計所得額の見積額」を参考に「判定」を行います。

配偶者控除等申告書 配偶者欄 記入例

判定の区分は次の4つに別れていますので、該当するものに✔を入れ、その数字を「区分Ⅱ」へ記入てください。

  • 38万円以下かつ年齢70歳以上⇒「①」
  • 38万円以下かつ年齢70歳未満⇒「②」
  • 38万円超85万円以下⇒「③」
  • 85万円超123万円以下⇒「④」



※配偶者の所得金額が123万円(給与のみの場合は年収2,015,999円)を超える場合は、配偶者控除、配偶者特別控除の適用を受けることができません。

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控除額の計算

最後に「控除額の計算」欄の記載方法を解説していきます。

令和元年 配偶者控除等申告書 控除額の計算 書き方

こちらは、「区分Ⅰ」「区分Ⅱ」の判定結果をもとに、控除額を確認し、「配偶者控除」または「配偶者特別控除」欄に控除額を記入します。

判定方法


いつくか記入例を用意しましたので、確認方法を解説していきます。

【例1】:「区分Ⅰ」⇒「A「区分Ⅱ」⇒「」の場合

配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法2
控除額は「480,000円」ですね。そして、その下の「摘要」欄は「配偶者控除」となっていますので、

配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法3
「配偶者控除の額」に「480,000円」と記入します。





【例2】:「区分Ⅰ」⇒「A「区分Ⅱ」⇒「」の場合

配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法4
控除額は「380,000円」ですね。そして、その下の「摘要」欄は「配偶者控除」となっていますので、

配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法5
「配偶者控除の額」に「380,000円」と記入します。




【例3】:「区分Ⅰ」⇒「A「区分Ⅱ」⇒「」の場合

配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法6
控除額は「380,000円」ですが、その下の「摘要」欄は「配偶者特別控除」となっていますので、

配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法7
「配偶者特別控除の額」に「380,000円」と記入します。




【例4】:「区分Ⅰ」⇒「B「区分Ⅱ」⇒「」(所得の見積額が107万円)の場合

配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法8

「区分Ⅱ」が「④」の場合は、控除額が所得の見積額ごとに異なりますので、注意してください。

今回の例(所得の見積額が107万円)の場合は、控除額は「110,000円」となります。そして、その下の「摘要」欄は「配偶者特別控除」となっていますので、


配偶者控除等申告書 控除額の計算 記入方法9
「配偶者特別控除の額」に「110,000円」と記入します。

以上で、<令和元年分>給与所得者の配偶者控除等申告書の記入は完了です。お疲れ様でした。

最後に

今年も年末調整の時期がやってきました!こちらの記事では、令和元年の年末調整のときに提出する「令和2年分・扶養控除等申告書」「令和元年分・保険料控除申告書」の記載方法について解説していますので、よろしければあわせて参考にしみてください。

<令和元年・年末調整>令和2年分の扶養控除等申告書の書き方と記入例

<年末調整2019>令和元年分・保険料控除申告書の書き方を解説!



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