2020年6月29日から持続化給付金の対象が「雑・給与所得」や「2020年新規創業・開業」に拡大されたましたが、実は2019年に新規創業・開業した方で、「2019年中の売上は0円だけど、2020年の1月~3月には売上がある」という方にも、給付対象が拡大されています!

そこで今回は、「2020年新規創業・開業特例」に追加された『2019年売上ゼロ特例』の給付条件をまとめてみました。

持続化給付金の対象拡大は「2020年新規創業・開業特例」や「雑・給与所得」に注目が集まり、意外と見落としている人もいると思いますので、ぜひ、この機会にチェックしてみてください。

※持続化給付金の申請は2021年2月15日で終了しています。

2019年の売上が0円でも新規創業・開業特例が使える!?

持続化給付金 2019年 売上ゼロ特例

従来の持続化給付金には、2019年新規創業・開業特例がありますが、こちらは2019年に創業・開業して、2019年中に売上(事業による収入)がある事業者が対象になっています。



つまり、「2019年に売上が全くない(0円)」という場合は、2020年1月からの売上と比較することが出来ず、給付対象外となっていました。



しかし、新たに拡大された「2020年新規創業・開業特例」では、「2019年中に売上が全くない(0円)」という場合でも、条件さえクリアすれば、持続化給付金を申請できるようになっています!



では早速、その条件を確認していきましょう。


新たな持続化給付金の対象になる方は、下記の①②③の条件すべてに該当する事業者(中小法人等・個人事業主・フリーランス)です。


①2019年1月~12月の間に創業・開業しているが、2019年中の売上(事業による収入)が0円だった。


②2020年1月~3月の間に売上(事業による収入)がある。


③2020年1月~3月の平均売上(事業による収入)と、2020年4月以降のいずれかの月の売上を比較して、50%以上減少している月がある。



これだけでは、ピンとこないと思いますので、ここからは具体例を使って解説していきます。


例えば、2019年9月に創業・開業して2019年9月~12月までの売上は0円で、2020年1月~7月までの各月の売上(事業による収入)は↓下記の通りとします。

持続化給付金 2020年創業特例(2019年売上0の場合)


まず、2019年9月~12月の売上は0円なので、先程の条件①はクリアしてますね。また、2020年1月~3月までの間に売上がありますので、条件②もクリアしています。


続いて、条件③を確認してみましょう。


まず、2020年1月~3月までの売上の平均を計算します。

持続化給付金 2020年創業特例(2019年売上0の場合)②

(40万円+40万円+10万円)÷3ヶ月=30万円


Point!
2020年1月の売上も0円の場合は?

本日、コールセンターで確認しましたが、2020年1月の売上が0円でも「1月~3月の平均売上」を求めますので、「3ヶ月」で割るようにしてください。

例:(1月売上0円+2月売上+3月売上)÷3ヶ月で計算します。



売上の平均は「30万円」になりましたので、この「30万円」を2020年4月以降の売上と比較して50%以上減少している月があればクリアとなります。

2020年1月~3月までの売上平均

今回の例では、2020年5月の売上が50%以上減少しているため、条件③もクリアです。よって、持続化給付金(2020年新規創業・開業特例)に該当するため、申請が可能です。


では次に、実際にいくらもらえるのか?給付額の確認方法を解説していきます。

給付額の確認方法

2020年新規創業・開業特例(2019年1月1日~12月31日までに創業・開業した事業者で、2019年中の売上が0円の場合)の給付額は次の計算式で求めます。


給付額=【(2020年1月~3月までの総売上)÷3か月×6】-【対象月(50%以上減少している月)の売上×6】


今回の例を計算式にあてはめると、【(90万円÷3か月)×6】-【10万円×6】=120万円となります。



ただし、給付額には上限(法人200万円、個人事業主100万円)がありますので、法人(中小企業)の場合は120万円、個人事業主・フリーランスの方の場合は100万円となります。


今まで2019年中に売上がないため給付対象から外れていた方も、上記の条件をクリアしていれば申請することができますので、一度チェックしてみてください。

では次に、申請時の必要書類を確認していきましょう。

必要書類

今回の特例(2019年1月1日~12月31日までに創業・開業した事業者で、2019年中の売上が0円の場合)を利用して申請する場合は、以下の書類が必要です。

<法人の場合>

  • 持続化給付金に係る収入等申立書(中小法人等向け)
  • <2020年創業>持続化給付金に係る収入等申立書(中小法人向け)の書き方


  • 履歴事項全部証明書
  • 設立日が2019年1月1日~12月31日までのものが必要です。


  • 通帳の写し
  • 持続化給付金 通帳

    具体的には、振込先口座と口座名義人が確認できる書類で、ネットバンク等を利用している方で紙媒体の通帳がない場合は、WEB通帳等の画面のキャプチャでokです。



<個人事業主・フリーランスの場合>

  • 持続化給付金に係る収入等申立書(個人事業者等向け)
  • 今年開業の個人・フリーランス「持続化給付金に係る収入等申立書」の書き方


  • 開業届または事業開始等申告書
  • 開業日が2019年1月1日~12月31日までのものが必要です。また、提出日は2020年4月1日以前で税務署の収受印が押されている必要があります。


  • 通帳の写し
  • 持続化給付金 通帳

    具体的には、振込先口座と口座名義人が確認できる書類で、ネットバンク等を利用している方で紙媒体の通帳がない場合は、WEB通帳等の画面のキャプチャでokです。


  • 本人確認書類
  • 家賃支援給付金 本人確認書類

    運転免許証の場合は表裏をそれぞれ添付しますので、ファイルは表と裏の2部用意してください。(返納している場合は、運転経歴証明書でも可。)

    個人番号カード、写真付き住民基本台帳カードの場合は表面のみ。在留カードの場合は表裏必要です。

    顔写真付きの本人確認書類がない場合は、次のセットでも申請が可能です。

    「住民票の写し」+「パスポート」

    「住民票の写し」+「保険証(両面コピー)」


※「持続化給付金に係る収入等申立書」で2020年の売上(事業収入)が確認できるため、対象月(50%以上減少している月)の売上台帳等は不要です。


もちろん、2019年は売上がなくて確定申告書をしてないという個人事業主(フリーランス)や、創業して1年経ってないから決算(確定申告)をしていないという法人も、申請をすることができます。


Check!

添付する書類はスキャン画像以外に、スマホやデジカメで撮影した写真でも(綺麗に映っていれば)OKです。(対応ファイル形式はPDF・PNG・JPGです。)


<給付金第二弾!>

持続化給付金に続き「家賃支援給付金」が創設されています!家賃支援給付金は、家賃の3分の2を6ヶ月分一括で支給してくれる制度です。

2019年中の売上0円で2020年1月~3月に売上がある方の申請は、2020年8月28日(金)からスタートしていますので、あわせてチェックしてみてください!

<家賃支援給付金>2019年中の売上0円特例!給付条件と必要書類を解説

最後に

2019年に創業・開業して2019年中の売上が0円でも、2020年の1月~3月の間に売上がある場合は、今回の「2020年創業・開業特例」が使える可能性がありますので、ご自身のケースと給付条件を確認してみてください。

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