皆さんは、雇用保険に加入していなかった人でも(雇用保険の加入条件を満たしていれば)、失業手当をもらうことができるのをご存知ですか?

例えば、雇用保険の加入条件を満たす働き方をしているのに、「パート・アルバイト先で雇用保険に加入してもらえなかった」「会社の規模が小さく、会社が社会保険に加入していない(現在は違法です)など、会社が雇用保険の加入手続きをしてくれなかったために、失業手当がもらえないという人もいると思います。

結論から言うと、雇用保険は過去にさかのぼって加入することができるので、雇用保険に加入しないまま会社を退職したとしても、手続きをすることで失業手当の受給資格を得ることができます!

そこで、今回は雇用保険を過去にさかのぼって加入し、失業手当をもらう方法をまとめてみましたので、失業手当がもらえず、困っている人がいたら参考にしてみてください。

雇用保険の加入条件を確認

雇用保険 さかのぼって加入

まず、始めに雇用保険の加入条件を満たしているか?を確認してください。


雇用保険は、正社員以外のパート・アルバイト・契約社員など雇用形態に関係なく、以下のいずれかの条件を満たしていれば加入する義務があります。

  • 31日以上雇用される見込みがある
  • 週20時間以上働いている



週20時間は、週5日勤務だった場合、1日4時間以上でクリアになりますが、いかがですか?


また、「余裕で31日以上働いていた!」という人は、雇用保険に加入することができます。

ただし、雇用保険に加入していても失業手当をもらうためには、一定の加入期間も必要です。

失業手当は雇用保険に何ヶ月間加入していればもらえるの?受給資格を確認

以上、条件をクリアしている人は、既に退職していたとしても、過去にさかのぼって雇用保険に加入することができ、失業手当を受給することができます。


「失業手当がもらえる日数」は、こちらの記事で確認することができますので、参考にしてみて下さい。
失業手当がもらえる期間は?1円でも多くもらうために所定給付日数を確認


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さかのぼって雇用保険に加入する方法

手続きの流れを、次の①~④にまとめましたので順番に確認していきましょう。

①会社に連絡

まず、「失業手当を受給したいので、さかのぼって雇用保険に加入してください」と伝えます。


このとき、既に会社を辞めていても全く問題ありません。

もし、会社が手続きしてくれなかったら?


会社の住所地を管轄するハローワークで「被保険者資格取得の確認請求」をしてください。


これは、入社時に雇用保険の被保険者資格を取得している事実があると主張するもので、文書でも口頭でもOKです。既に会社を退社している場合は、勤めていたことを証明できるもの(給与明細など)を一緒に提出してください。


すると、書類確認後にハローワークから会社に「過去にさかのぼって加入するように!」と指導が入ることになっています。


②会社がハローワーク(労働局)で申請者の雇用保険加入手続き

雇用保険の加入手続きは会社側で行いますので、特に本人が手続きすることはありません。


会社が「雇用保険適用事業所」として登録されていれば手続きは早いですが、そうでない場合は「雇用保険適用事業所設置届」から提出するので、多少時間がかかります。


また、申請者の給与台帳や出勤表など提出書類も多いので、担当者によって手続きが遅れることも想定しておいてください。ちなみに私の場合は、管轄の労働局に2度も足を運びました。


③雇用保険料を払う

雇用保険の加入手続きが終わると、会社側から申請者本人に雇用保険料の支払いについて連絡がきます。

過去にさかのぼって加入するため、雇用保険加入期間分の保険料を会社に払ってください。


④失業手当の受給に必要な書類が届くのを待つ

あとは、会社がハローワーク(労働局)と手続きを進めてくれますので、以下の書類が届くの待ちます。


<会社から送られてくる書類>

  • 離職票1
  • 離職票2
  • 雇用保険被保険者証(※)

※雇用保険被保険者証は、雇用保険に加入していたことを証明する書類ですが、失業手当の受給手続きには必要ありません。



書類が届いたら、あとは本人がハローワークの窓口で「求職の申し込み」「失業手当受給の手続き」を行います。

損しない失業手当のもらい方!退職してから失業手当をもらうまでの手続き


Check!
すでに仕事に就いている場合や内定を受けている場合は、失業手当を受給する条件にある「失業の状態ではない」ため、「求職の申し込み」⇒「失業手当受給の手続き」はできませんので、ご注意ください。


自己都合退職した人の給付制限が「3ヶ月」→「2ヶ月」に!

令和2年(2020年)10月1日から自己都合で退職した人の給付制限が、これまでの「3ヶ月」から「2ヶ月」に短縮されました。(つまり、2020年10月1日以降に自己都合で退職された方は、1ヶ月早く失業手当が受給できるようになります。)

失業手当の初回っていつもらえるの?退職してから振込までの日数を確認

最後に

実は、今回の「退職した人の雇用保険を過去にさかのぼって加入する手続き」は、私の総務部での初仕事でした。本当は失業手当がもらえるはずなのに、会社が手続きをしなかったことで損をしてしまっている人もいると思います。

会社を辞めた後だと頼みづらいと思いますが、失業手当は条件を満たせば平等にもらう権利がありますので、諦めず手続きをしてもらうようお願いしてみてください。

「失業・退職したときの手続き」をまとめた記事を作成しましたので、よろしければこちらも参考にしてみてください。

失業・退職したときの(失業手当、年金免除、国保軽減)手続きまとめ!


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