医療機関で「限度額適用認定証」を提示すると、窓口で支払う医療費を「自己負担限度額」までに抑えることができますが、入院(通院)中に会社を退職する場合はどうなるのか?心配している方もいると思います。
そこで今回は、入院(通院)中に会社を退職しても、限度額適用認定証は利用できるのか?協会けんぽに問い合わせて確認してみましたので、よろしければ参考にしてみてください。
入院(通院)中に退職する場合はどうなる?
※こちらの記事では、「協会けんぽ」のケースについてまとめています。国民健康保険やその他の保険組合の場合は、対応が異なる場合がありますので、ご注意ください。
協会けんぽで発行された「限度額適用認定証」は、申請したときに勤めていた会社を退職すると利用することができません。
つまり、入院(通院)途中で会社を退職した場合に、「限度額適用認定証」を利用して医療費の軽減(自己負担限度額までの支払い)を受けることができるのは、在職中の分までとなります。
ここからは、具体例で解説していきます。
Aさんの場合、10/26~10/31までの医療費は「限度額適用認定証」を提示することで、自己負担限度額までの支払いで済むことになりますが、11/1~11/5までの医療費は、会社を退職しているため、「限度額適用認定証」を利用することができません。
つまり、11/1~11/5までの医療費は、(夫の健康保険で)一旦3割を負担し、後日、自己負担額を超えた分の医療費を払い戻す「高額療養制度」を利用します。
▶保険証が届くまで病院で使える「健康保険資格証明書」を即日取得する方法
今回のAさんのケースでは、退院するまでに保険証の発行(限度額適用認定証の発行も)が間に合わないため、「健康保険資格証明書」を提示して、一時的に窓口で3割を負担し、後日、自己負担額を超えた分の医療費を払い戻すことなります。
※入院中に退職する場合でも、退院までの間に新しく加入する健康保険の「保険証」と「限度額適用認定証」が用意できる場合は、一時的な立て替えや高額療養費の申請は不要です。
まとめると、会社を退職するまでの分は「限度額適用認定証」を提示すれば、窓口負担が「自己負担限度額」までとなり、高額な医療費を一時的に立て替える必要はありません。
しかし、会社を退職してからの分は、新たに「限度額適用認定証」を申請して、精算時に提示できれば「自己負担限度額」までとなりますが、間に合わない場合は、窓口で一時的に立て替え、後日自己負担額を超えた分の医療費を払い戻すことなります。
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、退職日が一日違うだけで2ヶ月分を支払う場合があります。
最後に
「限度額適用認定証」は、申請したときの会社を退職すると(有効期限を過ぎた場合も)利用することができないため、協会けんぽへ返却することなります。
返却に期限はありませんが、退院後、保険証の返却と同時に会社もしくは協会けんぽへ返却するのを、忘れないようにしてくださいね。