昨日、会社の同僚に「もうすぐ自動車税を払う時期だけど、自動車税って分割払いできるか知ってる?」と尋ねられました。
私は車を持っていないので自動車税とは無縁ですが、その同僚は先月、予定外の出費があり、納付期限までに自動車税を一括で払うのが難しいということです。
そこで、今回は『自動車税は分割払いにすることができるのか?』本日、自動車税事務所に問い合わせて聞いてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。
自動車税の支払期限を確認
まず、はじめに自動車税はいつまでに払わなければいけないのか?納付期限から確認していきましょう。
自動車税は、4月1日の時点で車を所有している人(所有者※)に対して課税される税金で、毎年5月末日まで(5月31日が土日の場合は、次の平日まで)に、その年度(4月~翌年3月まで)の1年分を支払うことになっています。
(※車をローンで購入している方など、所有者がディーラーや信販会社の場合は、使用者となります。)
ですが、失業中の方など、自動車税を一括で支払うのが難しいという人もいると思います。そこで、「自動車税は分割払いにすることができるのか?」税事務所に問い合わせて聞いてみました。
自動車税の「分割払い」はできる?
今回は東京都品川税事務所で確認した内容をまとめています。自動車税は各都道府県ごとに管理されているため、地域によっては対応が異なる場合がありますので、ご注意ください。
5月末日の納付期限を過ぎても支払が確認できない場合は、6月末頃に「督促状」が送られてきますが、この時点で差押えや延滞金は発生しないので、そのままお金を貯めます。
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今度は、7月末頃に都税事務所から「催告書」が送られてきます。
この催告書の納付期限は令和3年度の場合、8月4日(水)です。
この8/4(水)までに自動車税を支払うことができれば、差押えや延滞金も発生しないということです。
つまり、5/31~8/4までは約2ヶ月ありますので、この間にお金を貯めて支払ってください、ということでした。
5月末の納付期限を過ぎても約2ヶ月間の猶予が与えられるということですね!
催告書の納付期限(8/4)までにお金が貯まらなかったら?
この納付相談をすることで「悪質な滞納」ではないと判断され、いきなり給与や預金が差押えになるということが回避できるそうです。
また、納付相談のときには次の3点を聞かれるそうなので、事前に準備をしておいてください。
- 自動車税が払えない理由(リストラや失業、休業など)
- いつまでに支払えるか?
- 分割払いを希望する場合は、何回払いなら支払えるか?(※回数次第では、延滞金発生期間に入る場合がありますので注意が必要です。)
続いて、自動車税を分割で支払う場合は、いくつか注意点がありますので、確認しておきましょう。
分割払いの注意点
車検が通らない!
ご存知の方も多いと思いますが、車検を通すときには、自動車税を完納している必要がありますので、車検を控えている方は支払い回数に注意してください。(分割払い期間中は完納していないので、車検を通すことができませません。)
延滞金が発生する!
自動車税を5月末日の納付期限まで支払わなかったときは、納付期限の翌日から延滞金が発生することになっています。
実際には、1,000円未満の延滞金は支払わなくて良いことになっていますが、いつごろから延滞金がかかるのか?ということは確認しておきましょう!
まず、延滞金額の計算方法からご説明します。
延滞金額は次の計算式で求めることができます。
延滞金額=税額×延滞日数×延滞金の割合÷365
税額とは?
自動車税額ですね。1,000円未満は切り捨てて計算しますので、自動車税額が39,500円の場合は、39,000円となります。
延滞日数とは?
納付期限の翌日から納めた日までの日数です。(5/31が納付期限の場合、6/1~納めた日までの日数です。)
延滞金の割合(年利)とは?
令和3年12月31日までの延滞金の割合(年利)は次の通りです。
納期限の翌日から1ヶ月を経過する日まで | 2.5% |
---|---|
納期限の翌日から1か月を経過した日以降 | 8.8% |
ここからは、計算例を見ながら延滞金を確認していきましょう。
<計算例①>
例えば、自動車税が39,500円で支払った日が6月30日だった場合(延滞日数は30日(6/1~6/30))
39,000円×30日×2.5%÷365=80円(1円未満切り捨て)
この場合の延滞金は80円となりますが、延滞金は1,000円未満の場合はかかりませんので、今回のケースでは延滞金0円となります。
<計算例②>
次に、自動車税が39,500円で支払った日が10月31日だった場合(延滞日数は153日(6/1~10/31))
まずは、「納期限の翌日から1ヶ月を経過する日まで」の延滞金を計算します。
39,000円×30日×2.5%÷365=80円(1円未満切り捨て)
続いて、「納期限の翌日から1か月を経過した日以降」の延滞金を計算します。
39,000円×123日×8.8%÷365=1,156円(1円未満切り捨て)
そして、それぞれの延滞金を合算して全期間の延滞金を計算します。
80円+1,156円=1,236円
よって、10/31に支払った場合は、延滞金が1,200円(100円未満切り捨て)となります。
この金額は1,000円を超えているので、実際に延滞金1,200円を払う必要があります。
今回の計算で分かるとおり、自動車税(39,500円の場合)は、10月を過ぎたころから延滞金がかかることになりますので、分割払いを考えている人は注意してくださいね。
最後に
結果的に自動車税は「分割払いにすることができる」ようですが、いきなり分割払いにするのではなく、まずは5月末の納付期限~催告書の納付期限まで(約2ヶ月の間)にお金を貯めて、支払いができるように計画を立ててみてください。
それでも催告書の納付期限までに支払うことが困難な場合は、早めに分割払い等の相談をするようにしてください。(ちなみに同僚は、この2ヶ月間で頑張ってお金を貯めるそうです。)