「新型コロナ対応休業支援金・給付金」は、会社から休業手当が支給されない中小企業で働く社員や契約社員、パート・アルバイトの方などを対象に、国から直接給付金が支給される制度ですが、「実際に給付金はいくらもらえるのか?」気になっている方も多いと思います。
そこで今回は、「新型コロナ対応休業支援金・給付金」の給付額の計算方法を解説しますので、よろしければ参考にしてみてください。
新型コロナ対応休業支援金・給付金っていくらもらえるの?
「新型コロナ対応休業支援金・給付金」は、月額33万円(日額11,000円)を上限に、休業前の賃金の8割が給付されることになっていますが、具体的な給付額は、次の①→②→③の順に算定します。
では、①②③の計算方法を順番に解説していきます。
①「休業前の1日あたりの賃金」を計算する
まず、休業前の直近6ヶ月の賃金を確認します。
例えば、2020年4月から休業を開始した場合、3月→2月→1月→12月→11月→10月の6ヶ月となります。
次に休業前の直近6ヶ月の賃金のうち、賃金を多くもらっていた任意の月(※)を3ヶ月選んでください。(※計算上、賃金を多くもらっていた月を選択すると給付額も多くなります。)
先ほどの場合だと、賃金を多くもらっている3ヶ月は↓「10月・11月・12月」となりますね。
あとは、次の計算式に当てはめて「休業前の1日あたりの賃金」を計算します。
休業前の1日あたりの賃金=「任意の月の3ヶ月分の賃金」÷90日
(30万円+35万円+33万円)÷90日=10,888円(上限は11,000円です。)
休業前の1日あたりの賃金は、10,888円となります。
直近5ヶ月分~4ヶ月分の賃金がある場合:直前に支払われた期間の中から任意の3ヶ月を選び、上記と同様に算定してください。
直近3ヶ月分の賃金がある場合:直近3ヶ月分で算定するようにしてください。
直近2ヶ月分の賃金しかない場合:「直近2ヶ月分の賃金÷60日」で算定してください。
直近1ヶ月分の賃金(1ヶ月に満たない賃金)しかない場合:「直近1ヶ月分の賃金÷30日」で算定してください。
その他、休業を開始した月より前に支払われた賃金がない場合は、休業を開始した月に支払われた賃金で算定します。
また、新卒の方など入社時期が繰り下げられ、1日も勤務していという場合は、予定されていた給与額で算定することになります。(雇用契約書など賃金額がわかる書類を添付する必要があります。)
①「給付金日額」を計算する
「給付金日額」は、一日あたりもらえる給付額のことで、次の計算式に当てはめて求めます。
給付金日額=「休業前の1日あたりの賃金」×0.8
先ほどの例の場合だと、10,888円×0.8=8,710円(小数点以下切り捨て)
給付金日額は、8,710円となります。
①「給付額」を計算する
最後に、下記の計算式に当てはめて給付額を求めます。
給付額=「給付日額」×「その月の日数」
「その月の日数」は、休業した月の日数のことで、4月の場合は「30日」、5月の場合は「31日」というようになります。(※1ヶ月間、丸々仕事がなく休業していた場合)
今回の例では、休業した月は4月なので「30日」で計算します。
8,710円×30日=261,300円
給付額は261,300円となります。
ただし、休業した月に働いた日があったり、申請者本人の事情で休んだ日(※)は給付金の対象外となりますので、その分を差し引いて計算してください。(※年次有給休暇、育児休業、介護休業、病気による欠勤など)
働いたときに差し引く日数の基準は、次のとおりです。
働いた時間 | 差し引く日数 |
---|---|
4時間以上 | 1日 |
4時間未満 | 0.5日 |
働いた時間が4時間未満であっても、もともと働くことになっていた時間(所定労働時間)が4時間未満の場合は、1日としてカウントします。
例えば、所定労働時間が2時間の場合で、2時間働いた場合は1日としてカウントし、1時間働いた場合は、1時間休業となりますので、0.5日としてカウントします。
「新型コロナ対応休業支援金・給付金」の申請は、郵送またはオンライン申請となります。(郵送申請は7月10日、オンライン申請は10月9日からスタートしています。)
こちらの記事では、自分で直接申請するときの必要書類を確認することができますので、よろしければ参考にしてみてください。
▶<休業支援金・給付金>自分で直接申請するときの必要書類を確認!
オンライン申請の場合は、厚生労働省HP内の「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金オンライン申請サイト」からメールアドレスとパスワードを設定して申請可能です。
最後に
パートやアルバイトの方でも休業前に月10万円くらいもらっていた場合は、約8万円(1ヶ月間、丸々休業していた場合)は支給されますので、会社から休業手当が支給されず、諦めかけていた方は、ぜひ申請を検討してみてください。
<2020年12月21日追記>
支給対象の休業期間は「令和2年12月31日まで」から「令和3年2月28日まで」延長されました。(令和3年2月28日までの休業が対象になりましたが、申請には期限がありますので、注意してください。)