先日、勤務先で「籍を入れていない同居人(内縁の妻)に対して、健康保険証を発行してもらうことはできるのか?」という質問を受けました。
この質問に対して私は、「籍を入れていなくても条件を満たせば、保険証は発行できる」と回答しました。それは、結婚していない人(家族でない人)でも条件を満たせば、勤務先で加入している社会保険の扶養に入ることができるからです。
そこで今回は、内縁の妻(籍入れていない同居人)を扶養にするときの条件や手続き方法について、実際に勤務先で手続きをしたときの内容をもとにまとめてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。
内縁の妻(籍を入れていない同居人)を扶養にするための条件
まず、内縁の妻(籍は入れていない同居人)を扶養にするための条件から確認していきましょう。
今回は説明をわかりやすくするため、下記のモデルを使って解説していきます。
花子さんを太郎さんの扶養にするためには、次の4つの条件をクリアしている必要があります。
①花子さんは太郎さんと同居していること
②太郎さんが世帯主であること
③花子さんの年収は130万円未満であること
(※また、花子さんの収入は太郎さんの収入の半分未満である必要があります。)
一般の方も同様ですが、扶養に入るためには、収入条件をクリアする必要があります。扶養に入るための収入条件については、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。
▶退職後に扶養に入る条件と手続方法!扶養中に収入がオーバーしたら?
④花子さんは国内居住者であること
令和2年4月から扶養に入るための条件に「日本国内に住民票がある方」が追加されることなりました。(※留学するお子さんや海外赴任の夫に同行する妻など、一部例外もあります。)
この4つの条件を全てクリアしている場合は、内縁の妻(籍を入れていない同居人)を健康保険の被保険者の扶養にすることができます。
では、このあと内縁の妻を扶養にするときの手続き方法について解説していきます。
内縁の妻を扶養にするときの手続き
手続きと言っても、基本的には勤務先と年金事務所の間で手続きが行われますので、下記の書類を用意して勤務先に申出るようにしてください。
手続きに必要な書類
- 同居人(扶養に入る人)の収入証明書
- 続柄が記載されている住民票の原本(マイナンバーの記載がないもの)
- 本人と同居人それぞれの戸籍謄本(原本)
先ほど条件の中でも確認しましたが、扶養に入るためには同居人の年収が130万円未満である必要があり、それを証明するために収入証明書を提出する必要があります。
同居人が自営業の場合は「直近の確定申告書の写し」、パート・アルバイトや無職の場合は「課税(非課税)証明書」を提出してください。
無職の方でも「課税(非課税)証明書」を発行する場合には住民税の申告が必要です。申告は随時受付けていますので、こちらの記事を参考にしてみてください。
▶住民税:無職で収入がない人の申告方法と申告書の書き方を記入例で確認
同居していることを証明するために提出が必要です。
同居人が他人の戸籍に入っていないかを確認するために提出が必要です。
基本的には上記の書類で手続きを進めることができますが、状況によっては他の書類が必要になる場合がありますので、詳しくは勤務先の指示に従うようにしてください。
最後に
今回の条件を満たせば、内縁の妻(籍を入れていない同居人)でも健康保険の被保険者の扶養に入ることができるため、保険証の発行はもちろん、国民年金第3号被保険者となりますので、毎月の国民年金保険料も免除となります。
もし該当するかも?と思った方は、勤務先に相談するようにしてください。