離婚することが決まり、慰謝料等を支払ってもらうことが話し合いで決まったとしても、きちんと相手が支払ってくれるのか、心配ですよね。

実は先日、会社の同僚(女性)が離婚することになり、教えてもらったのですが、皆さんは、法的効力があり、高額な費用もかからない「離婚給付等契約公正証書」というものがあるのを、ご存知ですか?

支払ってもらう金額や期日などの取り決めは、口約束というわけにはいかないですし、かと言って弁護士に依頼すると費用が高額になるため、依頼するのが難しいという方もいると思います。

そこで今回は、離婚給付等契約公正証書の作成方法記載内容費用などについて、先日離婚した同僚に確認したことをまとめてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。

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公正証書とは

離婚給付等契約公正証書 慰謝料 作成方法

受取る側(債権者)と支払う側(債務者)の当事者が公証役場に行き、取り決めた内容を基に法律のプロである公証人に作成してもらう書面(公文書)のことです。


その中で、慰謝料や財産分与が分割で支払われる場合一括では支払われるが支払い期日がかなり先の場合子供の養育費が月々で支払われる場合など離婚に関する公正証書は、離婚給付等契約公正証書になります。


離婚給付等契約公正証書は、公証役場原本受取る側(債権者)正本支払う側(債務者)謄本と3部作成され、それぞれに交付されます。

離婚給付等契約公正証書の作成方法

それでは、「離婚給付等契約公正証書」作成の手順を確認していきましょう。

手続きする場所

それぞれの都道府県にある公証役場で手続きができます。

全国にある公証役場は「日本公証人連合会HPの公証役場一覧」から検索することができます。

離婚給付等契約公正証書に記載する内容

同僚の話では、公正役場に行く前に「離婚給付等契約公正証書に記載する内容(当事者の話し合いで決められた要望や必要に応じた内容)」を明確にしてから行った方が良いとのことでしたので、ここでは「離婚給付等契約公正証書に記載する内容」の例を記載しておきます。


何を記載してもらえばいいのか?わからないという方は参考にしてみてください。

  • 離婚の合意
    お互いが離婚を認め、離婚に伴う給付(慰謝料等)についても認めること
  • 親権者と監護権者の定め
    離婚後の子どもの親権者と監護権者をどちらか一方に決めること(基本的に親権者と監護権者は、同じですが親権者の事情によっては、親権者ではない親が監護権者になる場合もあります。)
  • 子供の養育費
  • 子供との面会交流
  • 離婚慰謝料
  • 離婚による財産分与
    (例えば、現金、預貯金、不動産、有価証券・投資信託、生命保険の積立金、年金など)
  • 住所変更等の通知義務
  • 清算条項
    記載された内容以外のことは、今後お互いに請求しないことを約束するものです。
  • 強制執行認諾
    支払いがされなかった場合は、強制執行(差押え)の申立てができること(←これは忘れないように記載しておきましょう。)

(因みに同僚には子供がいなかったので、慰謝料の金額を書いたメモだけ持って行ったそうです。)

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手続きの手順

①最寄りの公証役場に行き(私の住んでいる最寄りの公証役場では1人でも可)、当事者で取り決めた内容を公証人に伝える。


②伝えた内容にそって、公証人が公証役場で公正証書の原案を作成します。


③提示された公正証書の原案を両当事者で検討する。


④公証役場に連絡して公正証書の原案に対し、間違いがない場合は、そのままの進行を伝え、訂正がある場合は、訂正箇所を伝え再度原案を作成してもらいます。


⑤公証役場から公正証書作成の準備ができたこと、手数料について電話で連絡がくる。


⑥両当事者揃って公証役場に行ける日時を電話にて連絡する。


⑦指定した日時に両当事者揃って公証役場に行き、公正証書の内容を最終確認して、必要書類を提出し署名捺印後、手数料を支払う。


⑧公正証書原本は、公証役場にて保管され、正本は、慰謝料を受取る側(債権者)に、謄本は、慰謝料を支払う側(債務者)にそれぞれ交付されます。


公正証書が完成するまでの期間は?

私の住んでいる最寄りの公証役場では、①〜⑧にかかる日数は、早くて約1週間程度とのことでした。


費用(手数料)を確認!

手数料は、「公証人手数料令」という政府の政令によって定められ、金額は全国で統一されていますが、支払われる総額ごとに金額が異なります。

支払われる総額(目的の価額)(※) 手数料
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 11,000円
500万円を超え1000万円以下 17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下 23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 29,000円
5,000万円を超え1億円以下 43,000円

(※)支払われる総額について、「慰謝料・財産分与」と「養育料」は、別々の法律行為となるので、それぞれに手数料がかかります。


例えば、慰謝料100万円、財産分与200万円、養育料(10年分の金額のみ)600万円の場合の手数料は、慰謝料・財産分与11,000円+養育料17,000円で、合計28,000円となります。


その他の手数料は、正本(受取る側(債権者)に交付)と謄本(支払う側(債務者)に交付)も作成される為、その料として1ページにつき250円ずつ(正本5ページ・謄本5ページの場合は、10ページ×250円=2,500円)加算されます。


支払いは、原則として現金(非課税)のみとなります。


弁護士に依頼した場合、離婚給付契約公正証書の原案作成費用や、代理人費用等で、おおよそ50,000円〜80,000円で、さらに公証人手数料等が加算されるので、10万円をオーバーすることもあるそうです。

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手続きに必要なもの

主に以下の3点ですが、公正証書に記載されている内容によっては他に必要になる書類もあると思いますので、詳しくは公証役場に確認するようにしてください。

  • 戸籍謄本
  • 本人確認書類(※)
  • 印鑑(※)

(※)本人確認書類と印鑑については、印鑑証明書(3か月以内)と実印、運転免許証と認印、マイナンバーカードと認印、住民基本台帳カード(顔写真付き)と認印、パスポート、身体障害者手帳又は在留カードと認印のいずれか1セットが必要です。

こちらでは、離婚するとき&離婚後に必要な手続きをまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。

離婚するとき・離婚後に必要な手続き(国保・年金など)をまとめ紹介!

最後に

離婚給付等契約公正証書は、法律の専門家である公証人が、法律的観点から厳正に作成する公文書なので、信頼性もあり、執行力も高いといわれています。


また、公証役場にて原本がきちんと保管されているため、破棄や改ざん、変造の心配もありませんから、安心できる書面です。

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