先日、私の勤務している会社を退社して海外へ引っ越しをする方から「退職後の住民税の支払いってどうなるの?」と尋ねられました。確かに、年の途中で海外へ引っ越しをすると、そのあとの住民税はどうやって支払えばいいのか?気になりますよね。
そこで今回は、海外へ引っ越しをするときの住民税の支払方法について、市区町村の窓口で確認した内容をまとめてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。
海外へ引っ越しするときの住民税はどうなるの?
住民税は、前年(1/1~12/31)の所得に対して、1月1日に住んでいる市区町村で課税されることになっているため、年の途中で海外へ引っ越しをした場合でも、その年の住民税は引っ越す前の市区町村に支払う必要があります。
つまり、その年の1月1日に日本に住んでいれば、その年度の住民税はかかりますが、翌年の1月1日の住所が国外にある場合は、日本に住所がないものとして扱われるため、翌年度の住民税は0円(非課税)となります。
でも、年の途中で海外へ引っ越しをすると、そのあとの住民税はどうやって支払えばいいのか?気になりますよね。
そこで、海外へ引っ越しするときの住民税の支払方法を確認していきましょう!
住民税の支払い方法
先ほど確認したとおり、年の中途で海外に住所を移してもその年の住民税は払わなければならないため、海外に引っ越しをするときには、次の4つの方法で住民税を支払う必要があります。
一括で支払う
会社を辞めて、海外へ引っ越しをする場合、退職時の給与から全額天引き(特別徴収)してもらい、一括で支払うことができます。
また、納付書(普通徴収)で支払っている場合も、一括で支払うことができるようになっています。
給与から天引き(特別徴収)
海外へ引っ越しても、給与は今まで通り日本の会社から支給されるという方もいると思いますが、この場合は、引き続き会社の給与から天引き(特別徴収)されるので、特に手続きは不要です。
口座振替にして支払う
海外へ引っ越しをする前に住民税の口座振替の手続きをして、「口座から自動引き落とし」にすることができます。
ただし、この場合は納税通知書などの受け取りのため、次の『納税管理人の選任』が必要になります。
納税管理人が代わりに支払う
『納税管理人』とは、本人(納税義務者)に代わって、日本国内で住民税支払いの手続きを行う人です。
簡単に言うと、住民税の連帯保証人という感じですね。(『納税管理人』は、一般的に家族(両親、兄弟、配偶者)を指定するケースが多いようです。)
次のケースでは、本人の代わりに『納税管理人』を申告する必要がありますので、確認しておきましょう。
会社を退職して給与から天引き(特別徴収)されなくなった場合も、住民税の支払いが全て終わっていない場合は、本人の代わりに納税管理人の申告が必要になります。
納税管理人を申告する場合は、各市区町村で指定されている書類「納税管理人申告・認証申請・認定申請書」に本人と納税管理人の情報を記入し、次の本人確認書類を添付して出国前に窓口に提出してください。
(「納税管理人申告・認証申請・認定申請書」は、各市区町村のホームページからプリントアウトすることができます。)
(※郵送で手続きをする場合は裏表コピーを提出してください。)
最後に
1月1日に日本国内に住んでいない場合は、その年の住民税はかからないということでしたが、「1月1日は旅行で国内にいなかった!」というのはダメですからね。
また、ワーキングホリデーなど海外での滞在期間が1年未満の場合は、1月1日の住所が国外にあっても(海外転出届を出していても)住民税が課税されるというのをネットで見たので、本日、渋谷区役所で確認してみましたが、渋谷区では「滞在期間に関係なく、1月1日に住民票が日本国内(渋谷区)にない場合は、その年の住民税は非課税です。」ということでした。
こちらについては、各市区町村ごとに条件が異なる場合がありますので、お住まいの市区町村で確認するようにしてください。