平成30年8月から児童扶養手当の所得制限限度額が大幅に引き上げられました!

これを受けて『一部支給』⇒『全部支給』になる方は約15万人、また『一部支給』が増額される方は約40万人増えると言われています。

そこで今回は、児童扶養手当の所得制限限度額(最新版)や所得制限の調べ方、支給額の計算方法について、私の住んでいる市区町村の窓口で確認してみましたので、よろしければ参考にしてみてください。

児童扶養手当の所得制限限度額を確認

児童扶養手当 所得制限引き上げ

まず、「平成30年7月までの所得制限限度額表」と「平成30年8月からの所得制限限度額表」を比較して変更点を確認していきましょう。


平成30年7月まで所得制限限度額表

扶養人数 全部支給 一部支給
0人 19万円 192万円
1人 57万円 230万円
2人 95万円 268万円

平成30年8月からの所得制限限度額表

扶養人数 全部支給 一部支給
0人 49万円 192万円
1人 87万円 230万円
2人 125万円 268万円

(※3人目以降1人増すごとに38万円加算)



このように平成30年8月からは、『全部支給』の所得制限限度額が+30万円引き上げられることになりました!(『一部支給』の限度額は今まで通りで変更はありません。)


これによって、今まで『一部支給』だった方も『全部支給』に繰り上がる可能性があります。


また、『一部支給』の方でも支給額を求めるときには「全部支給の所得制限限度額」を使って計算をするため、支給額が増える可能性が高いです。

といっても、「表の見方がわからない・・・。」「支給額の調べ方がわからない。」という人もいると思いますので、ここからは、所得制限の確認方法と支給額の計算方法について解説していきます。

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所得制限の確認方法

ここからは、以下のモデルケースで解説していきます。

<Jさんの場合>

・母親1人+児童1人の母子家庭(2人暮らし)

・母親は会社員

・元夫からの養育費0円


まず、はじめに「扶養人数」から確認していきましょう。

扶養人数の確認方法について

Jさんは、母親1人+児童1人の母子家庭(2人暮らし)なので、↓赤の「扶養人数1人」の金額を確認します。

児童扶養手当 扶養人数 確認方法

Jさんの場合は、「所得金額が87万円未満であれば児童扶養手当は全部支給」となり、「所得金額が230万円未満であれば児童扶養手当は一部支給」ということになります。


あとはJさんの所得金額がわかれば『全部支給』なのか、『一部支給』なのかを調べることができます。

Check!
児童扶養手当は、前年度の所得と扶養状況で審査しますので、今年離婚した方で、去年は夫が子どもを扶養していた場合、「扶養人数0人」欄を確認するようにしてください。

所得金額の確認方法

では、Jさんの所得金額を確認していきましょう。


この所得金額は、前年の所得(1月~6月までに申請する場合は前々年の所得)が適用されることになっていて、令和4年度の児童扶養手当は、令和3年分(令和3年1月1日~令和3年12月31日まで)の所得で審査が行われます。


収入が給与のみという方は、源泉徴収票↓を用意してください。

令和3年 源泉徴収票 児童扶養手当

次に、この源泉徴収票のA「給与所得控除後の金額」を確認します。


Jさんの場合、「給与所得控除後の金額」は118万円ですね。

Check!
<養育費をプラスする!>

離婚後、元夫から養育費をもらっている場合は、その養育費の8割を「給与所得控除後の金額」(先ほどの118万円)に加算します。

例えば、月4万円の養育費を1年間受け取っていた場合は、384,000円(4万円×12ヶ月×0.8)を加算します。


次に、「給与所得控除後の金額」から8万円(一律控除)を引きます。


118万円-8万円=110万円


この8万円は、社会保険料、生命保険料、地震保険料等の相当額として(一律)所得から差し引くことができます。


これで、Jさんの所得金額は「110万円」ということがわかりました。

その他にも控除できるものがありますので、該当するものがあれば下記の控除額を所得から差し引いてください。

控除種別 控除額
障害者・勤労学生 27万円
特別障害者 40万円
特定扶養親族、控除対象扶養親族(16歳以上19歳未満) 15万円
配偶者特別・雑損・医療費・小規模企業共済等掛金 相当額

※「寡婦控除27万円)」「ひとり親控除35万円」については、養育者・扶養義務者・孤児等の養育者のみ控除対象となります。児童の父母が申請者の場合は控除することができませんので、注意してください。


ここでJさんの所得金額「100万円」を、先ほどの表に当てはめてみましょう。

児童扶養手当 扶養人数 確認方法

Jさんの『全部支給』の条件は「所得金額87万円未満」なので、残念ながら全部支給とはなりませんが、『一部支給』の条件「所得金額230万円未満」をクリアしているので、Jさんの児童扶養手当は『一部支給』となります。

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児童扶養手当の支給額

では、続いて、児童扶養手当の支給額『全部支給』と『一部支給』の支給額を確認していきましょう。



<児童扶養手当(令和4年度)の支給額>

子どもの人数 全部支給(月額) 一部支給(月額)
1人の場合 43,070円 43,060円~10,160円
2人目加算額 10,170円 10,160円~5,090円
3人目以降加算額 6,100円(1人につき) 6,090円~3,050円(1人につき)

『全部支給』で子どもが2人いる場合は、43,070円+10,170円=53,240円(月額)が支給されることになります。(※令和3年度は53,350円でした。)

『一部支給』の場合は、次の計算式を利用して支給額を求めます。(※令和4年度版)



子どもが1人の場合:43,060円-{(あなたの所得額-全部支給の所得制限限度額)×0.0230070}


2人目:10,160円-{(あなたの所得額-全部支給の所得制限限度額)×0.0035455}


3人目:6,090円-{(あなたの所得額-全部支給の所得制限限度額)×0.0021259}



では、先ほどのJさんのケースで計算してみましょう。


Jさんは子どもが1人なので、「子どもが1人の場合」の計算式を使って求めます。


43,060円-{(100万円-87万円)×0.0230070}=

(100万円-87万円)×0.0230070=2,990円(※この時点で10円未満四捨五入)

43,060円-2,990円=40,070円


Jさんに支給される児童扶養手当は40,070円(月額)となります。


(子ども2人の場合も1人目は↑の計算式で計算し、2人目を「2人目」の計算式で計算して、最後に合計した額が支給額となります。)

ちなみに、Jさんのケースを平成30年7月までの所得制限限度額表を使って計算すると支給額は34,420円(月額)なので、約5,600円増となります。


支給額が増えるのはありがたいですね。

こちらの記事では、離婚して、ひとり親家庭(父子家庭・母子家庭)になる方の児童扶養手当の受給条件と申請方法についてまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。

離婚後の「児童扶養手当」のもらい方!支給条件と申請方法を確認

児童扶養手当は、支給開始から5年経つと手当の半分が支給停止される場合があるのを、ご存知ですか?

詳しくは、こちらの記事にまとめていますので、よろしければ確認してみてください。
児童扶養手当が5年で半額に?減額されないための条件と提出書類を確認

最後に

今回は、児童扶養手当の所得制限限度額の引き上げに伴い、所得制限限度額の確認方法や支給額の調べ方についてまとめてみましたが、現在は、支給月も変更になっています。

詳しくは、こちらの記事にまとめていますので、よろしければ参考にしてみてください。
児童扶養手当の支給月が変わります!年6回2ヶ月ごとの支給はいつから?

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