現在、婚姻歴のないひとり親家庭の方は、税法上の寡婦(寡夫)控除の適用を受けることができないため、婚姻歴のあるひとり親家庭の方と比べて、保育料などに差が出てしまう場合がありましたが、平成30年9月から、未婚のひとり親世帯にも税法上の寡婦(寡夫)控除に該当するものとみなし、税額を再計算して、幼稚園や保育所などを利用する子どもの保育料を見直す!という制度がスタートしました!

そこで、今回は未婚のひとり親家庭の保育料軽減について、制度の内容や申請方法をまとめてみましたので、よろしければ参考にしてみてください。

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「保育料の寡婦(寡夫)控除のみなし」とは

保育料 みなし寡婦控除

お子さんの保育料や公営住宅の賃料などは、一般的に所得税や住民税の額で決定されています。


この所得税や住民税は、所得から各種控除を差し引いた額をもとに計算されますが、「婚姻歴アリ」で税法上の寡婦(寡夫)に該当する方は、寡婦(寡夫)控除を受けることができますので、所得額から一定の控除額を差し引くことができます。


一方、未婚で「婚姻歴ナシ」の方は、税法上の寡婦(寡夫)には該当しないため、寡婦(寡夫)控除を受けることができません。

未婚のひとり親家庭の寡婦(寡夫)控除については、現在、見直しが検討されていて、2019年度(平成31年)の税制改正で結論が出ることになっています。

(おそらく、今後は税法上の「寡婦(寡夫)控除」が適用されるようになると思います。)

つまり、同じ「ひとり親家庭」なのに「婚姻歴アリ・ナシ」で、控除が受けられる、受けられないが決まってしまいます。



具体例(住民税で判定する場合)で確認してみましょう。

婚姻歴アリのAさんと婚姻歴ナシのBさんは、どちらもシングルマザーで所得額は200万円、扶養親族に8歳のお子さん(所得額0円)がいるとします。


AさんとBさんの住民税を計算するもとになる所得額(課税所得額)は、次のとおりです。(控除は誰もが一律に受けることができる基礎控除のみとします。)

Aさんの課税所得額

Aさんは婚姻歴があるため、特別の寡婦に該当します。

200万円(所得額)−33万円(基礎控除)−30万円(特別の寡婦控除)=137万円

保育料 寡婦控除みなし


Bさんの課税所得額

Bさんは、婚姻歴がないため、「特別の寡婦控除」が使えません。

200万円(所得額)−33万円(基礎控除)=167万円

保育料 寡夫控除 みなし


あとは、この課税所得額に税率をかけて所得税や住民税を算出しますが、当然、課税所得額が少ないAさんの方が税金が安くなり、保育料を判定する階層もBさんより有利になります。

これは不公平ではないか?

ということで、平成30年9月から「婚姻歴ナシ」の方にも、寡婦(寡夫)控除を受けたとみなし所得税や住民税が再計算され、保育料が算定されることになりました。(※実際には、平成30年9月より前から実施している地域もあります。福岡市・沖縄市など)


よってBさんにも特別の寡婦控除(みなし)が適用されるので、

200万円(所得額)−33万円(基礎控除)=167万円

200万円(所得額)−33万円(基礎控除)−30万円(特別の寡婦控除)=137万円


課税所得金額が下がり、保育料の判定に使われる所得税や住民税額も下がるため、保育料が安くなる可能性があります。

実際には、保育料は各階層ごとに決められているので、みなし寡婦(寡夫)控除を受けて所得税や住民税が減っても、階層が変わらず、保育料は減額されないことがあります。

簡単にまとめると、寡婦(夫)控除の対象とならない未婚のひとり親家庭に対して、実際の所得税や住民税の額は変わらないけど、保育料は下がる可能性がある!ということです。

寡婦・寡夫については、こちらで詳しく解説していますので、よろしければ参考にしてみてください。
<年末調整>寡婦・特別の寡婦・寡夫の条件と扶養控除等申告書の記入方法

それでは、「寡婦(寡夫)控除のみなし」を受けることができる人の条件を確認していきましょう。

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寡婦(寡夫)控除のみなし対象者

前年の12月31日時点および申請時点において、次のすべてに該当する方です。

  • 婚姻歴がない母(父)で、その後も婚姻(事実婚含む)していないこと
  • 生計を一にする20歳未満の子(※)がいること
  • (※合計所得金額が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族になっていないことが条件)

  • 父(寡夫)の場合は合計所得金額が500万円以下(母は所得制限なし)

(その他、児童扶養手当を受給していることが条件という市区町村もあります。)


上記の条件をクリアしていれば、母、父それぞれの所得から下記の控除(みなし)を受けることができます。(住民税で判定する市区町村の場合)


<母の場合>
合計所得金額が500万円以下の方(特別の寡婦):30万円

合計所得金額が500万円を超える方(一般の寡婦):26万円



<父の場合>
合計所得金額が500万円以下の方(寡夫):26万円

※合計所得金額が125万円以下(給与収入で2,043,999 円以下)の場合は非課税扱いとなります。

保育料の軽減(寡婦・寡夫控除のみなし)を受けるためには、申請が必要です!


詳しくは、このあとの申請方法を確認してみてください。

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申請方法を確認

手続きをするところ

申請手続きは、お住まいの市区町村の担当窓口(保育課など)で行うことができます。


手続きに必要なもの

  • 寡婦(夫)控除のみなし適用申請書(各市区町村のHPや窓口で配布されています。)
  • 戸籍謄本(発行から3ヶ月以内のもの)または児童扶養手当証書
  • 印鑑(認印)

最後に

実際に保育料が減額される時期については、申請した月から適用されることになっています。

ただし、年度内(※)であれば、さかのぼって適用を受けることができます。

(※年度については、4月・9月・12月など各市区町村ごとに異なります。)

例えば、年度切り替えが毎年9月の場合で、平成30年11月に申請した場合は、平成30年9月までさかのぼって適用をうけることができます。

申請は随時受け付けていますので、該当する方は早めに手続きをするようにしてくださいね!

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